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スローな夜


























「ねぇ、撩」
「んあ?」

ソファーに寝そべりながら愛読書を読む撩に、香が上から話しかける。
そして、手に持っているトレーから2人分のマグカップをローテーブルに置くと、ソファの端っこにちょこんと座ってひょいと撩の愛読書を取り上げる。

「何すんだよ。今、おれ読んでるんだけど」
「うん、知ってる」
「だったら何で取るんだよ?」
「実は今日さ、夜8時から10時まで電気を消してろうそくの灯で過ごそうっていうイベントやるみたいでさ」
「イベント?」
「うん、節電とかそんな大層なものじゃないんだけど、こんな時間があってもいいかな、と思って」
「ふーん。ま、いいけど」

と撩が時計を見ると、じきに夜の8時になろうとしていることに気付く。

「・・・もうすぐじゃん」
「そう。だからね?これは置いといて」

その愛読書を置く香がやけに笑顔なのは気のせいか。
撩は思わず苦笑する。

「で?ろうそくは?用意してあるのか?」
「うん」

見ると、通り道とマグカップを置いたローテーブルにキャンドルがいくつか置かれているのが見える。
しかも、通り道にはすでにキャンドルに灯が灯っていて、撩が苦笑する。

「もうすでに始めてるわけね」
「えへへ」

いたずらが見つかった子どものように上目遣いで肩を竦めながら笑む香。

「んじゃ、電気消すぞー」
「待って、今点けるから」

香がテーブルの上のキャンドルに火を灯していく。
それに全て灯してから撩が電気を消す。
すると、明りがろうそくの灯のみになって、ちょっと幻想的になる。

「わー、キレイ」
「ん」

2人でソファに腰掛けると、自然と寄り添い、香は撩の肩に頭を預け、撩は香の肩を抱く。
何時間でも見つめ続けられそうなくらい、キャンドルの灯は儚く、キレイだ。
時々揺れる灯りを無言でしばらく見つめていた2人だったけれど、動いたのは撩だった。

「確かにたまにこんな日があってもいいかもな」
「そうだね。あたしも同じこと思った」

・・・だって。
撩とこんな穏やかで静かな時間を過ごせるのなら。
たまには、こんな日があってもいいよね。

香は撩に見えないのをいいことに、そっと微笑む。

「テレビをかけてなくて、おまぁが何も話さないとこんなに静かなんだな」

撩がクスッと笑うと、気配で感じ取ったのか、香が撩を見上げる。

「ちょっと?撩!?」
「うそうそ。うーそだって」

そう言って、撩が香の柔らかな髪に指を差し込み、くしゃっと撫でる。

「そんなことやったってダメなんだからね」
「えー、ダメ?」
「ダメ」

ろうそくでうっすらと見える香の顔は、撩の想像通り、ちょっと唇を尖らせて、撩を上目で睨んでいるものの、それすら撩を煽る表情でしかなく、さらにくしゃくしゃっと髪を撫でる。

「可愛いなー、香は。・・・ってか、いい加減覚えろよ」
「?何を?」

首を傾げる香に、撩はくすっと笑い、香の頬に手を添える。
暗くしてから初めて目が合った2人。
香の心臓が高鳴った。
撩の香を見つめる瞳が甘くて、頬に添えられた手が優しくて・・・ドキドキが止まらない。
顔は逸らせないから目だけを逸らすと、それを見逃さない撩に頬を撫でられる。
その手つきが擽ったくて、艶があって、妙にドキッとする。

「ひゃっ」
「なーに、目逸らしてんの?香チャン」
「なっ・・・」

撩を見つめ、顔を真っ赤にする香。

「な、何って・・・アンタが・・・」
「おれが?」
「アンタが・・・」
「・・・なに?」

そう訊いてくる声が甘くて、少し掠れていて、ドキドキする。
撩を見つめることができなくて、また逸らす・・・。
すると。

「逸らすなよ」

思いのほか強く言われて、香が、え?・・・と撩を見ると、撩が自分を見つめていて、その瞳に吸い込まれそうになりながら香も撩を見る。
2人の瞳がかち合うと、撩の瞳が甘く煌めいて、香の胸がトクッと音を立てる。
目を見開いている香を可笑しそうに撩が見つめると、そのまま顔を近づける。
すると、香はそれに合わせるようにゆっくり瞳を閉じていく。
そして、瞳が閉じた時に、唇が重なったけれど、強めに触れるとリップ音をさせてすぐに離れていく。
香がゆっくり眼を開けると、やっぱり可笑しそうに自分を見つめる撩がいて、首を傾げていると、撩がそっと囁く。

「こういうこと」
「?何がこういうことなの?」

香がさらに首を傾げると、撩はククッと笑いだす。

「キレイ・・・だから」
「キレイ?・・・あ、うん、そうだね。すっごくキレイ」

撩の云わんとすることが解ったらしい香がにっこり笑って、揺らめくキャンドルを見る。
だが、撩が言おうとしていたことは当然ながら違う訳で・・・。

・・・おまぁがキレイなんだよ、ってことはもちろん内緒だけど、面白いくらい気付かないよな、コイツ。

ククッとまた笑うと、キャンドルに向けていた顔を撩に向ける。

「もうっ、さっきからなんで笑うのよ」
「だって、おまぁがさぁ・・・」
「あたしが?」

・・・おまぁがキレイで、おれを煽るから。

という内心で考えていることは置いといて。

「キスして欲しそうにしてたから」
「なっ・・・あ、あたし、そんな顔・・・っ」

かぁぁぁぁ、と一気に真っ赤になる狼狽える香。
そんな香が可愛くて、プハッと吹き出す撩。
ククッとしばらく笑うと、甘い瞳で香を見遣る。

「悪い、悪い。ホントはさ、おれがしたかったから」
「・・・え?」
「おれがおまぁにしたかったから・・・キスした」
「りょ・・・」

その先の言葉は撩と影が重なって、発することができなくなっていた。
今度は強く、深く、激しく、触れていく。
熱い唇で、舌で、香の口を開けて、中へ入っていくと、すぐに香の舌を探し出し、絡める。

「んんっ・・・」

香から高い声が漏れる。
それは甘く、香も撩の服をキュと掴む。
撩とのそれは、何も考えられなくなりそうなほどに熱く、クラクラと目眩がしそうなほどだ。
なので、撩に掴まっていないと、自分が倒れそうになってしまう。

一方の撩は、お構いなしに、香の後頭部を抑えて、さらに深く重なろうとしている。

「んっ・・・ぁ・・・っ・・・」

やっと出せた自分の声の甘さに恥ずかしくなった香は、さらに撩を煽っているとしか思えない喘ぎ声を抑えきれずに出しながら、懸命に撩を離そうと強く服を掴む。
それに気づいた撩が少し離して香を見ると、荒い息をしながら撩を見る。

「香?」
「いま、あたし・・・声が・・・」

そして、かぁぁぁ、と真っ赤になる。
それを見た撩はクスッと笑う。

「甘かった?」
「!」

図星をさされて香の身体がビクンと跳ねて、羞恥で俯く。

「あたし・・・あんな声・・・出して・・・」
「・・・だから」
「え?」

少し顔を上げた香の頤に手をやるとくいっと顔を上げさせる。

「おまぁのその、表情(かお)や声で、キスしたくなった」
「りょう・・・」
「ついでに言うと、この先までいきたいんだけど?」
「えっ・・・ちょ、それは・・・っ」

撩がクスクス笑いながら言うと、香があわあわ慌てている。
そんな香を見ながらさらに笑う撩に、香はただただ俯くだけだ。

「うそうそ。今はまだコレだけな?」

そう言って、ちゅ、とキスをする。

「・・・りょう?」
「だけど」

そう言った撩の眼は怖いほど真剣で、仄かにろうそくの灯で照らされるのを見ただけでも目を逸らせなくなる。
そして、撩は香の耳元で声にならない声で、ボソッと囁く。

「・・・おれもいつまで待てるか解らないからな?」

ビクッと身体が跳ねる香をぎゅっと抱き込んで、さらに耳元に息を吹きかけるように囁く。

「りょ・・・っ」
「だから、覚悟しとけよ?」
「あ・・・」

そう言って、クスッと意地の悪い笑みを浮かべると、その目を甘く煌めかせて、香の耳に手をかけて、顔を近づける。
だが、香は近づいてくる撩を止めて、ぐっと睨むように撩を見上げて、撩は、ん?という顔で香を見る。
なんだか怒っているようにも見えるからだ。

「・・・った」
「え?」
「・・・解った」
「・・・ん??」
「だから!解ったって言ったの」
「・・・え?解ったって・・・?」

周りが暗い、とはいえ、近くにろうそくの灯があるので、撩の表情ははっきりと判る。
だから、香はグッと撩に近づき、撩と目線を合わせる・・・ものの、目が合った途端、その目が揺れてその勢いが弱まり、撩の服をきゅ、と掴みながら少し俯く。
急に恥ずかしさが襲ってきたからだ・・・これから自分が言うことに。
撩は香の言葉を待っている。
香は小さく息を吐くと、小さく呟く。

「・・・覚悟、するから・・・もうちょっとだけ・・・待って・・・くれる・・・?」
「香・・・」

香が不安そうな目で撩を見上げるから、撩は一瞬目を見開いたものの、すぐに優しくなり、愛おしさが込み上げてくる。

・・・あーもう、そんなこと云われたら、すぐにでも奪いたくなるだろ・・・?
そんな香が可愛くて、でも、泣かせたくないから、今はまだ・・・な。
そう、今はまだ我慢だ!冴羽撩!!
がんばれ、おれ!
でも、キスは存分にさせてもらうからな?

そう思いながら「あぁ」と頷く。
そして、クスッと笑いながら

「でも、なるべく早めに頼むな?」
「・・・うん」

と、からかうように香を覗き込むと、香はうっすらと頬を染めて可愛らしくはにかみ、頷く。
それに安心した撩は、再度キスしようと、香の耳に手をかける。
香もそれで察したのか、今度は、柔らかく微笑んでそっと瞳を閉じる。
撩もクスッと微笑んで顔を近づけて・・・

キャンドルの灯がそっと2人を照らし、2つの影がそっと重なった。




+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

<あとがき>
これは、6月21日にある『「でんきを消して、スローな夜を」を合言葉に、夏至の夜8時から10時の2時間、電気を消してろうそくの灯で過ごし、それぞれの想いを巡らせるイベント』(ネタ元:トレンドランキング参照)を基に描いたお話です(^^♪
私、キャンドルネタ、好きみたいです(笑)
でも、これを見て、描きたくなっちゃったんですよねー( *´艸`)
久々に描いた話がキャンドルネタとは思わなかったけど(;^ω^)
だって、フッと浮かんだんだもん!!
浮かんだ時に描かないと、次、いつ描けるか分からないし(^^ゞ
ということで、一線は超えてない2人ですv
香ちゃんに覚悟を促すくらい、超えたい撩ちゃんvv
さて、これからどのくらいで2人は一線を越えるのか!?(笑)
そして、2人は電気を消してから何回キスするんだー( *´艸`)(´艸`*)
それで、相変わらず天然な香ちゃん(*^▽^*)♪
うしし♪
それにしても、この話の終わりの時点で、『スローな夜』は終わってる(夜10時を過ぎてる)のかしら??
終わってなさそうな感じもしなくもないけど、まぁ、どっちにしろ、10時を過ぎてももう、電気は消したままなんだろうなぁv
例え、そういう関係じゃなくても。
そんな気がします☆
頭に浮かんで描いたものがこれで・・・駄文になってしまってごめんなさいっ。
最後まで読んで下さった皆様、どうもありがとうございましたvvv

【 2015/06/16 (Tue) 】 NOVEL | TB(-) | CM(2)
管理人のみ閲覧できます
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【 2015/06/17 】 [ 編集 ]
Re: タイトルなし
>> A2サマ

コメントの返信が遅くなり、どうもすみませんm(__)m
更新を楽しみにして下さって、どうもありがとうございましたvvv
何度も読み返して下さっている、とのこと♪
どうもありがとうございます(^^♪
読めば読むほど面白くなる、と言っていただけてすっごく嬉しいですvvv
わわっ、照れる~(*^▽^*)
ときめいて頂けて私も嬉しいですv
ありがとうございますvvv
これからも、マイペースではありますが、更新していけたらいいな、と思ってます☆
コメント、どうもありがとうございましたvvv
【 2015/07/18 】 [ 編集 ]
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撩&香の一コマ♪
プロフィール

実梨

Author:実梨
シティーハンターが好きで、二次創作を始めました(^^ゞ
カッコいいリョウと可愛い香ちゃんを目指して、日常の色んな2人を描いていけたらいいな、と思ってますv
初心者なので、まだまだ未熟で駄文ばかりではありますが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです♪

更新履歴
・ 8/ 24 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 18 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 6/ 16 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 4/ 22 MEMOに拍手御礼(お待たせしてすみませんでした)
・ 4/ 17 遅ればせながら香ちゃん、お誕生日おめでとうvv
・12/ 7 サイト6周年vホントにどうもありがとうございますvvv
・11/ 13 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・11/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・10/ 19 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 10 EVENTに5周年記念SS(後編)をUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 4 EVENTに5周年記念SS(前編)をUP(今更ですみませんっ)
・ 7/ 13 MEMOに拍手御礼
・ 7/ 2 NOVELをUP
・ 6/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 5/ 23 NOVELをUP
・ 5/ 5 MEMOに拍手御礼
・ 4/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 3/ 31 香ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 26 撩ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 23 NOVELをUP
・ 3/ 14 MEMOに拍手御礼
・ 3/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 2/ 19 NOVELをUP
・ 2/ 10 SSSをUP
・ 2/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 22 MEMOに拍手御礼
・ 1/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 5 どうぞ2014年もよろしくお願いしますvNOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 31 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 29 MEMOに拍手御礼
・12/ 25 NOVELをUP
・12/ 24 NOVELを2話分UP
・12/ 15 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 7 サイト5周年~♪ホントにどうもありがとうございますvv
・11/ 28 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・11/ 18 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・10/ 20 MEMOに拍手御礼
・10/ 5 MEMOに拍手御礼
・10/ 4 NOVELをUP
・ 9/ 23 NOVELをUP
・ 9/ 16 LINKに素敵サイト様1件追加!&MEMOに拍手御礼
・ 9/ 1 NOVEL2話目をUP&MEMOに拍手御礼
  ・ 8/ 15 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 5 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 30 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 7 七夕SSをUP
・ 6/ 30 NOVEL1話目をUP&拍手御礼v
・ 6/ 17 ついに!新しいPCになりましたーっvvv&拍手御礼v
・ 2/ 8 EVENTに4周年記念SSをUP&MEMOに拍手御礼v
・ 1/ 20 LINKに素敵サイト様1件追加!
・ 1/ 8 NOVELにお正月SSをUP&MEMOに拍手御礼v
・ 1/ 2 2013年v新年あけましておめでとうございますvv今年もどうぞよろしくお願いいたします☆
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