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好きの気持ち




















「・・・やるよ」
「え?」

ローテーブルに雑誌を広げて、カーペットにペタンと座っている香は、雑誌の上に置かれた紙袋を見て、何回か瞬きをすると眼を見開いて撩を見る。

「ちょっ・・・撩、これ・・・」

袋には香が「食べたい」と言っていたチョコレート店の名前が書かれていて、何がなんだか分からない香が驚きの表情で撩を見ていると、撩は照れくさそうに顔を逸らして痒くもない頬を掻いている。

「・・・あの、ほら、その・・・あれだ」

香がジッと見つめる中、ふぅと息をはいた撩はふいに前髪を掻き上げると香に向き直る。

「お返し、だよ」

そう云われて香はゆっくりと視線を黒い紙袋へと落とす。
それは、バレンタインの前に雑誌やらテレビやらで特集をしていたお店で、香が何気なく「食べたいなぁ」と呟いたものだったのだけど。

まさか、撩がそれを覚えていたとは。
確かに、撩に雑誌を見せたけれど、その時撩はちょっと見ただけで「甘そうだな」と顔を顰めてフイッといなくなったのに。
香は、自分が何気なく呟いたことを撩が気に留めていてくれたことが嬉しくなる。

「ありがとう、撩」
「・・・おぅ」

やっぱり照れたようにそっぽを向いている撩がボソッと答えるのを見て、可愛いな、と香は思わずクスッと笑う。
中を覗くと、シールとリボンでラッピングされた缶が入っていて、チラッと撩を窺う。

「開けてもいい?」
「いいよ」

缶を開けると、そこには深紅のハートの形をしたチョコレートが1つずつ包装されたものが入っていて、1つ取り出して、開ける。
中身を取り出すと、その可愛さに笑みが零れる。

「可愛いね、これ」

クスッと笑ってからかうように撩を見ると、撩はふて腐れたような顔をしていて、それが可笑しくて、またクスッと笑う。

「これ、撩が買いに行ったの?」
「おれが行かなきゃ誰が買いに行くんだよ」

呆れたように答える撩に、香は撩が買いに行く姿を想像して、クスクス笑う。

「女の人がいっぱいで楽しかったんじゃない?」
「ばーか」

撩はそう言うと、香の髪をグシャッとかき混ぜる。

「もうっ、撩っ」

店の中は見事に女ばかりで、撩にとって本来なら嬉しいはずなのだけど、妙に居心地の悪さを感じて。
店に入るのに結構、勇気がいったことは香には秘密だ。

撩は香に笑われて拗ねていたものの、香の嬉しそうな顔が見られて、まぁ、いいか、と苦笑する。
手に取ってそれを眺めていた香がパクッと口に入れて、それから、おいしそうにウットリして頬を緩ませる。

「うーん、美味しいーっ。あ、中からトロッと出てきたの、お酒かな?」

・・・美味しいのは云うまでもないんだけど、これを撩が買ってきてくれたことがホントに嬉しいんだー。

香は、んー、とチョコを堪能する。

「そりゃよかった」

撩がフッと笑みを浮かべると、香の頭をポンとたたく。

「心して食えよ」
「なーんか偉そうだけど、せっかく買ってきてくれたものだし、大事に食べるね」
「当然だろ?」

撩がニヤリと笑う。
香は「もう」とか言いながら立ち上がり。

「コーヒー、おかわりいる?」
「あぁ、欲しい」
「じゃ、淹れてくるね」

香がカップを持って淹れに行く。
撩はそれを見送ると、チョコを1つ取って眺める。

・・・こんなんでアイツのご機嫌をとるわけじゃないけれど、それでも、アイツの嬉しそうな顔が見られるなら、まぁいいか、とか思うおれって、やっぱりアイツに甘い・・・よな?

撩は、はは、と笑うと、何気なくぺりっと包装をはがして口に入れる。
甘さが広がり、中からトロッと出てきたのは・・・酒か。

「・・・甘っ」

撩は顔を顰めてコーヒーを飲もうとしたら、ないことに気付き、あ、と思う。

・・・そういえば、香がおかわりを淹れに行ってるんだった。

この口の甘ったるさを早くなんとかしたい撩は、キッチンへと向かう。
そこでは、香がコーヒーのおかわりを淹れていた。

「あれ、撩。今、淹れてるよ?」
「いや、口が甘ったるくて」

撩が顔を顰めたままいると、香も解ったのか、プッと吹き出す。

「食べたんだ?」
「・・・・・・あぁ」
「甘かった?」
「・・・・・・あぁ」
「で、口直しがしたいんでしょ?」
「・・・あぁ、そうだよ。で、まだかよ?」
「待ってよ。今、淹れるから」

コーヒーの香ばしいいい匂いがしている。
こぽこぽとカップに注がれる。

「はい、入ったよ」

カップを持って撩に出すと「ん」と言って、コクリと飲む。

「はぁぁ、落ち着いた」

撩が一息つくと、香がクスッと笑う。

「はい、よかったわね。じゃ、それ持ってあっち行ってて」

香も自分のコーヒーを持ってソファへと移動する。
さっきいたところまで戻ると、香がふと気づいたように撩に尋ねる。

「ねぇ、撩。アンタ、これ、何個買ったの?結構したでしょ」

暗に、バレンタインで何個もらったのか訊いてくる香に、撩はやっぱり照れがあるのか、ふいっと視線を逸らし。

「1個だよ」
「・・・え?」

ボソッと答える撩に、一瞬、聞き間違いじゃないかと訊き直すけれど、

「だから、おまぁのだけだ」

やっぱり答えはさっきと一緒で。
あ、と呟いた香は、頬が緩むのを止められないでいた。

・・・もしかして、今年はあたしのだけ受け取ってくれたのかな。
それって、あたしが本命・・・ってこと、だよね?

香は自分の考えに頬が熱くなってくる。
えへへ、やっぱり嬉しくて思わず笑みが浮かぶ。

「こんな高いの1つ買えば十分だろ?」
「じゃ、他の女性(ひと)の分は別のお店で買ったの?」

香が撩の言葉にムッとすると、撩は苦笑する。

「なんでわざわざ他の店で買うんだよ。こんなの1つ買えば十分だって言っただろ?」
「え、それって・・・」
「・・・おまぁ以外からは受け取ってないよ。だから、お返しを買うのもおまぁの分だけ」
「じゃぁ、ホントにあたしのために買ってきてくれたんだ、これ」
「・・・・・・」

香が改めてそう言うと、撩は顔を見られたくないのか立ち上がり、香の後ろに来ると、ぎゅ、と後ろから抱きしめる。

「わっ」

香がビックリすると、撩が香のうなじに顔を埋める。

「おれ、頑張っただろ?」
「・・・うん、ありがと。すっごく嬉しい」

香が擽ったそうに身体を竦めると、撩は香の首筋に唇を押し付けて、ちゅぅ、と吸い、軽く跡をつける。

「あ・・・ちょっと、撩っ」

香が身動ぎすると、撩は香を抱きしめる腕に力を込める。

「おれも・・・だから」
「・・・何が?」

ボソッと香の耳元で呟いた言葉に、香が訊き返すと

「女はバレンタインに『好き』の気持ち、込めるんだろ?」
「うん・・・そうだけど・・・」
「おれも・・・だな」

撩は云いにくそうに言いよどむ。

「・・・え?」
「おれも・・・それに込めてっから・・・その、気持ちを」
「うん・・・・・・って、えっ?撩?!」

香が振り返ろうとしたのを押さえこんで止める。

「ねぇ、それって・・・撩、あたしのこと・・・」
「・・・あぁ」
「あぁ、じゃ分からない。ちゃんと言ってよ。じゃないと、これ、食べさせるわよ」

チョコを包装から開けて出すと、撩はうっと身体を引かせる。

「ちゃんと言って。あたしのこと・・・」
「・・・・・・好き、だ」
「うん・・・。あたしも・・・好きよ、撩」

後ろから見る香の顔は耳まで真っ赤で恥ずかしいのか俯いていて、それでも、抱きしめている撩の腕をぎゅ、と掴んでいて、撩はクスッと笑う。

・・・なんだ、照れてんのはコイツも一緒か。

撩は抱きしめる腕を緩めて香を解放すると、くるりと自分へと向かせる。
向き合った形になった2人は、香は真っ赤で、撩もどこか照れていて。
でも、真っ赤になって撩の服を掴んでいる香が可愛くて、クスッと笑うと、香の頬を撫でる。
香がビクッと身体をビクつかせると、安心させるために「目、瞑れよ」と言うと、ゆっくり瞳が閉じられる。

「おまぁだけだから・・・もう妬くなよ」

そう言って、撩は優しく香を見つめると、ゆっくりと顔を近づけた―――。




++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

<あとがき>
うわー、なんだか訳の分からないものになっちまったい(笑)
ごめんなさいっ(>_<)
今更ですが、一応、一応、ホワイトデー話ですっ(^^ゞ
結局、撩は香ちゃんの喜ぶ顔が見たくてお返しのチョコを買いに行き、バレンタインのチョコをもらっても自らホワイトデーのお返しを買うのは香ちゃんだけだ、ということで・・・(汗)
見苦しい言い訳ですが、お許し下さいっm(__)m
チョコのお返しもチョコですが、そこはスルーして下さいませ(*^^)v
外国ではバレンタインに男性から女性に物を贈る、ということで、撩、アンタもホワイトデーに香ちゃんに『好き』の気持ちを贈りなさい、ということで描いてみました(*^▽^*)
最後まで読んで下さった皆様、どうもありがとうございましたvvv

【 2014/03/23 (Sun) 】 NOVEL | TB(-) | CM(0)
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撩&香の一コマ♪
プロフィール

実梨

Author:実梨
シティーハンターが好きで、二次創作を始めました(^^ゞ
カッコいいリョウと可愛い香ちゃんを目指して、日常の色んな2人を描いていけたらいいな、と思ってますv
初心者なので、まだまだ未熟で駄文ばかりではありますが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです♪

更新履歴
・ 8/ 24 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 18 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 6/ 16 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 4/ 22 MEMOに拍手御礼(お待たせしてすみませんでした)
・ 4/ 17 遅ればせながら香ちゃん、お誕生日おめでとうvv
・12/ 7 サイト6周年vホントにどうもありがとうございますvvv
・11/ 13 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・11/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・10/ 19 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 10 EVENTに5周年記念SS(後編)をUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 4 EVENTに5周年記念SS(前編)をUP(今更ですみませんっ)
・ 7/ 13 MEMOに拍手御礼
・ 7/ 2 NOVELをUP
・ 6/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 5/ 23 NOVELをUP
・ 5/ 5 MEMOに拍手御礼
・ 4/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 3/ 31 香ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 26 撩ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 23 NOVELをUP
・ 3/ 14 MEMOに拍手御礼
・ 3/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 2/ 19 NOVELをUP
・ 2/ 10 SSSをUP
・ 2/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 22 MEMOに拍手御礼
・ 1/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 5 どうぞ2014年もよろしくお願いしますvNOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 31 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 29 MEMOに拍手御礼
・12/ 25 NOVELをUP
・12/ 24 NOVELを2話分UP
・12/ 15 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 7 サイト5周年~♪ホントにどうもありがとうございますvv
・11/ 28 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・11/ 18 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・10/ 20 MEMOに拍手御礼
・10/ 5 MEMOに拍手御礼
・10/ 4 NOVELをUP
・ 9/ 23 NOVELをUP
・ 9/ 16 LINKに素敵サイト様1件追加!&MEMOに拍手御礼
・ 9/ 1 NOVEL2話目をUP&MEMOに拍手御礼
  ・ 8/ 15 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 5 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 30 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 7 七夕SSをUP
・ 6/ 30 NOVEL1話目をUP&拍手御礼v
・ 6/ 17 ついに!新しいPCになりましたーっvvv&拍手御礼v
・ 2/ 8 EVENTに4周年記念SSをUP&MEMOに拍手御礼v
・ 1/ 20 LINKに素敵サイト様1件追加!
・ 1/ 8 NOVELにお正月SSをUP&MEMOに拍手御礼v
・ 1/ 2 2013年v新年あけましておめでとうございますvv今年もどうぞよろしくお願いいたします☆
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