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MINIに乗って





















朝食を食べ終わった撩はソファにどかっと座って新聞を読んでいる。
さらっと読む中で、必要な情報を頭に入れる。
その時、ふとある箇所に目を留める。
いつもなら、スルーするところで、ホントに小さい広告のようなものを見つけて、撩は一瞬、目を見開いた後「へぇ」と呟いて、ニヤリと笑った。
新聞をキレイに畳み、ローテーブルに置くと、すくっと立ち上がり、楽しげに外に出た。

鼻歌を歌いそうなほど機嫌良く階段を下りていると、伝言板と買い物に行っていた香が帰ってきた。

「あら、撩。出かけるの?」
「駐車場にいるから」
「え?駐車場?」
「おぅ」

不思議がる香にニヤリと笑うと、撩は足取り軽く、階段を下りていった。

「撩、なんか楽しそうだったけど、どこか出かけるのかな?」

香は家に戻り、買い物したものを片付けて落ち着いたものの、さっきの楽しげな撩がどうにも気になった。

「なに?何があるの?しかも駐車場?!」

・・・うーん、気になる。

どうしても気になった香が駐車場へ行くと、撩が自分の愛車を丁寧に洗っていた。
鼻歌を歌いながら。

「撩?」

そっと話しかけると撩が香に気づいて振り返る。

「ミニ、キレイにしてるんだ」
「おぅ、せっかくの休みだからな」

ニッと笑う撩に香が呆れる。

「うちはいっつも休みみたいなもんじゃない」
「ま、そうとも云うけど?」

撩が口ずさんでいる鼻歌は香が聞いたことのない歌で。
洋楽なのかな、と思いながら、撩によってキレイに洗われていくミニを見る香。
どっちにしても機嫌が良いのは確かだ。

「ずいぶん楽しそうね」

すると、撩は「あぁ」とミニをポンポンと叩いた。

「まぁな。今日はコイツが主役だし」
「主役?」

撩はそれには答えずに、フンフンと鼻歌を歌いながらミニの濡れたボディーを拭いていく。
ミニを拭く撩の眼が優しくて、香はクスッと微笑む。

・・・撩はホントにミニを大事にしてるんだよね。
ミニもパイソンに負けないくらい大切な撩の相棒だからね。

撩のことだ。
ミニがクラッシュしてどんなにぺちゃんこになろうと、修理屋を脅してでも元に戻させるんだろうことは想像に難くない。
何だかんだ言っても、撩にはこだわりがあり、気に入ったものは大事にする。

そんなことを思いながら、撩の意外な可愛いところに香はクスクスと笑った。
撩はそんな香に気付くこともなくミニについた水滴をキレイに拭いていたけど、手を腰にあてて「よし」と頷くと、「香、見ろよ」と自慢げに香に振り向いてフフンと笑う。

「どうだ、コイツ、ピッカピカになっただろ?」
「うん、キレイになったね!」

改めて香はピカピカになったミニを見て、目を大きく見開いた。
そして、自慢げで嬉しそうに自分を見る撩を見て、香も嬉しそうにはにかんだ。
ミニを親しみを込めてポンポンとしている撩に近づいて、香も赤いミニをそっと撫でる。

「これからミニに乗るの?」

香がそう聞くと、撩はチラッと香を見る。

「あぁ。せっかく洗ってピカピカにしたし、乗ろうと思ってるけど?」
「ふーん、そっか。楽しんできてね」

香はにこっと微笑んだ。
撩が出かけるなら自分も、と一瞬思った香だったけれど、今日は撩も1人で乗りに行きたいかもしれないな、と思って遠慮することにした。
撩がいない間、部屋の掃除をしておこうかな、なんて頭の中で予定を立てていると、撩がキョトンとして香を見ていて、香も、え、と驚く。

「おまぁ、来ないの?」
「え?あ、その・・・違くて、撩が、」
「おれが?」
「撩が今日は1人でミニに乗りたいんじゃないかなぁ、って思って」

香がモジモジして上目遣いで撩を窺っていると、撩がプッと吹き出した。

「あ、ちょっと何笑ってんのよ」
「だって、今さら遠慮か?似合わないって」
「ちょ・・・アンタねぇ」

香がプと頬を膨らませると、撩が香と目を合わせてフッと微笑う。

「一緒に来いよ」
「え・・・」
「デートしようぜ。コイツに乗ってさ」
「撩・・・いいの?」
「いいも悪いも、おれが誘ってんだけど。で、来る?」

撩がニヤリと笑って聞くと、香も笑顔になって頷いた。

「うん、行くわ。でも、その前にお昼食べちゃおうよ」
「ん?あ、もうそんな時間かよ。どおりで腹が減ってるわけだ」
「あたし、先に戻って支度してくるね」
「あぁ」

香が去ってから、撩はミニを優しく目を細めながら見つめてフッと笑う。
それから、撩もゆっくりと上へと上がっていった。

香が用意したご飯を食べた後、そのままでいい、と撩は言ったけれど、出かけるからと言って着替えをした香と共に、洗車したばかりのミニに乗り込む。

心なしか嬉しそうにしている撩を見て、香もクスッと笑みをもらす。

「行くぞ」

ゆっくりと動き出したミニは、軽快に走る。
撩はどこへ行く、ともなしにミニを走らせた。

「どこか行きたいところがあるの?」

香が尋ねると撩は目は前に向けたまま答える。

「いや、ないけど、ただコイツを走らせたくてさ」
「そうね。せっかくキレイになったんだもの」
「当然だろ?」

なんだか子供みたいな撩の答えに香はクスッと笑いながら言う。
すると、撩もニヤリと笑う。

「今日はコイツを走らせるだけだから、どこにも寄らないぞ」
「え?そうなの?」
「だから、今日はコイツが主役だって言ったろ」
「ねぇ、さっきも言ってたけど、なんでミニが主役なの?」

香が尋ねると、撩は視線を前に向けたままフッと微笑んだ。

「今日は何月何日だ?」
「えっと・・・」

香は一瞬考えて。

「・・・3月2日」
「そう、3月2日。で、3と2でミニって読めるだろ?それで今日は『ミニの日』なんだってさ」
「あ・・・そっか。それで今日はミニが主役ってわけね」

香はあ、と手をポンと打つとにっこりと笑う。

「そういうこと」

撩もクッと笑みを浮かべる。

「だからキレイに洗車してたのね。きっとミニも喜んでるわ」
「で、洗車した後は、そのピッカピカのボディを走らせて自慢する」
「そんなのきっと誰も分からないわよ?」
「いいんだよ。おれ達が解ってれば」
「撩・・・」
「おれとおまぁが知ってればいいことだろ?」
「うん・・・そうだね」

香が柔らかな笑みを浮かべて安心してシートに身を預け、撩は曲をかけて、どこに行くでもなく思いのままに走らせる。
外の喧騒も聞こえず、車の走る音とスピーカーから流れる音楽だけが耳から入ってきて、静かな空間が2人を包む。
2人とも、何を話すでもなく、ただ、穏やかな心地好い時が流れる。

時々、交差点で撩がどちらに行こうか迷ってる時はちょっと楽しげで、香が「こっち」と口を出すと撩がニヤリと笑い「いや、こっち~」とわざと香とは違う方を選んで、ほんの少し遊んでみたり。

「もうっ、あたしとは反対の方にばかり行くんだから」
「まぁまぁ」
「調子いいんだから」

香が苦笑すると、撩はニヤリと笑う。
と言ってるうちに、見慣れた景色が見えてきて、香が「あ」と声を出した。

・・・帰ってきちゃった。

もうちょっとドライブしていたかったな、と香がちょっと寂し気に思っていると、撩が車を止めて、香を見た。

「なぁ。ちょっとそこのコンビニでビール買ってきて」
「ビール?」
「缶でいいから。それと、おまぁも買えよ」
「あたしも?」
「おぅ。おまぁは何でもいいから」
「うん、分かった。ちょっと待ってて」

香は車を降りて、そばにあるコンビニへと入って行った。
撩に頼まれたビールと、ノンアルコールの缶、後は少しのお菓子を買ってから戻る。

「買ってきたよ」
「よし。じゃ、戻るか」
「うん」

やがて、アパートの駐車場に戻り、2人が車から降りる。
そして、アパートに入ろうとする香からコンビニの袋をスッと受け取り、香をミニの側まで呼び、そこで缶を2つ取り出して、1本を香に手渡す。

「撩?」

香が撩に問うと、撩はプシュと缶を開けた。

「ほれ、おまぁも缶開けろよ」
「え?」
「いいから、早く」
「あ、うん」

香も云われるがままに缶を開けた。
撩はミニに背中を凭れさせると、缶を掲げた。
撩は香を見てフッと微笑み、視線で同じようにするように促す。
香も何となく解ったので、撩と同じように缶を掲げると。

視線がかち合った2人は、互いに笑みを浮かべて、まずはミニに優しくカチと缶を合わせ、その後、乾杯の意で2人の缶をカチと合わせた。
グビグビと一気に飲む撩に、香もコクコクと飲んでいく。

「あー、美味いな」
「うん、美味しいね」

香はにこっと笑うと、ミニをそっと撫でる。

「今までがんばってくれてありがとう。そして、撩を守ってくれてありがとう」
「香?」

撩が驚いて香を見るものの、香はそのまま続ける。

「ミニは撩の大事な相棒だから、これからもがんばって撩のこと守って、長生きして、これからもよろしくね」
「・・・あのなぁ・・・」

コイツは人間じゃねぇんだぞ。

撩はプッと吹きながら香に云うと、香は怒りもせずにそれを受け流す。

「そうだけど、大事な相棒であることには変わりないでしょ?」
「相棒?」

香は撩に向き直って、ふわりと微笑む。

「撩の相棒は、パイソンとミニ」
「・・・おまぁもだろ?」

撩がそう言うと、香は一瞬、目を見開くと、嬉しそうに目を細めた。

「・・・うん、そうだね」
「まぁ、おまぁは相棒っていうよりパートナーだけどな」
「撩・・・」

香が満面の笑みを浮かべて撩に抱き着く。
撩は一瞬慌てるものの、ミニの上に缶を置き、香を抱き留める。

「ホント?」
「あん?」
「あたし、撩のパートナー?」
「・・・おい、違うってのか?!」

撩がジト目で訊くと、香は慌てて首を横に振った。

「違うよ。でも、改めて撩に云われると、やっぱり嬉しくて、つい確認したくなるの」
「おまぁはおれのパートナー。で、パイソンとコイツはおれの相棒・・・か。・・・いいんじゃねぇの?」
「えへへ」

香が照れ笑いをすると、撩はミニに凭れかかったまま香を抱きしめ、香の髪を撫でながら、ビールを飲んだ。
香を抱きしめたまま撩がミニに向き直ると、ミニをポンポンと軽くたたく。

「さっき、コイツが言ってたけど、香のことも守ってくれよ」
「撩?!」

香がガバッと顔を上げると撩がニヤリと笑っている。

「あと、これからも香共々よろしくな」

撩がポンともう1回ミニを軽くたたいた。

「今、頼んどいたから」
「撩・・・ありがと。・・・ミニ、あたしからも、改めてこれからもよろしくね」

香がギュとまた撩の胸に顔を埋めると、撩が香の髪を梳きながら、茶色い柔らかな髪にそっと顔を埋めて髪にキスする。

撩が香の肩を押して、そっと離させると、頤をくいっと持ち上げてそっと唇を重ねる。

「・・・ミニに、乾杯」





+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

<あとがき>

いかがだったでしょうか?
3月2日は、3(ミ)と2(ニ)で『MINIの日』なんだそうでv
といっても、ミニを販売している某会社の広告が小さく新聞に出ていたのを切り取って持ってて、それを見て「MINIの日?!これは何か話を描かないとvv」となって描いた話です(*^^)v
ねぇ、これは誰?撩じゃないよね?との声が聞こえてきそうな話ですが、あくまでMINIが主役ですので!!
撩の性格が180度違っていようと実梨の妄想なんでお許し下さいーっ(>_<)
撩はMINIのことが大好きなんだ!というのが伝われば嬉しいですvv
車好きの人ってどこに行くでもなしに、ただ車を走らせることをしそうだな、と思って。
まして、ピカピカだし( *´艸`)?
ほのぼの話を少しでも楽しんでいただけたら幸いです(*^▽^*)
最後まで読んで下さった皆様、どうもありがとうございましたvvv

【 2014/03/02 (Sun) 】 NOVEL | TB(-) | CM(0)
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撩&香の一コマ♪
プロフィール

実梨

Author:実梨
シティーハンターが好きで、二次創作を始めました(^^ゞ
カッコいいリョウと可愛い香ちゃんを目指して、日常の色んな2人を描いていけたらいいな、と思ってますv
初心者なので、まだまだ未熟で駄文ばかりではありますが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです♪

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・ 7/ 13 MEMOに拍手御礼
・ 7/ 2 NOVELをUP
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・ 5/ 5 MEMOに拍手御礼
・ 4/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
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・ 3/ 26 撩ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 23 NOVELをUP
・ 3/ 14 MEMOに拍手御礼
・ 3/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
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・ 2/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 22 MEMOに拍手御礼
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