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チョコより甘く



















「はぁ。今日もナンパは空振り~」

そうは言っても、あまり残念そうではなさそうだ。

・・・まぁ、今日はバレンタインだし、こんな日にナンパに引っかかる娘なんていないよな。

撩はそう思い、クッと笑みを浮かべる。
それに・・・・

撩は何かを思い出すかのようにフッと眼を細めた。





―――バレンタインの数日前。

いつものようにキャッツで鉢合わせた2人は一緒に買い物に出かけた。
デパートでバレンタインの特設会場を通り過ぎた時、女性が盛り上がりながら店を色々と見て回っているのを見て、香も眼を輝かせていて、撩は顔を引き攣らせる。
そして、にっこり笑顔で撩に言い放った。

「撩。もし欲しいのがあったら言って?あたし、ここで買うよ」
「げっ。それは勘弁」

撩は本気でイヤそうな顔をしていたのだろう。
香はクスクスと笑う。

「マジでやめてくれ。こんな、見てるだけで甘ったるそうなの、本気でいらない」
「そう?見て回りたいけどなー」
「見るのもダメ。おまぁは今まで通り、手作りで頼む」

すると、香がからかいの色を含んで撩を見上げた。

「それにしては、他の女性(ひと)からもらうのはこんな高そうなのばっかりで、しかも、嬉しそうにもらってるのに、なんで、あたしのはダメなのよ?」
「それは・・・」
「それは?」

香はじっと撩を見つめている。
撩は意味もなくキョロキョロと辺りを見回すと、ニヤリと笑って香の耳元でそっと囁いた。

「おれが食べたいのはおまぁからもらうチョコだけ、だから」

撩にとって、香は特別だ、と言外に含ませる。

そう言えば、今度はからかわれているのは香に早変わり。
香は、かぁぁ、と頬を真っ赤にして「え・・・」だの「うん・・・」だのと何やら照れていて。
それがなんとも可愛くて、撩は香を覗き込む。

「解った?香チャン」
「う・・・うん、解った」

撩がクスッと笑うと香は小さく頷いて、撩の腕をとって、なんとも気恥ずかしくなり、その場を足早に去った。

そんなやり取りがあってからのバレンタイン前日。
夜、香が台所でチョコを作っていたのを知っている撩は、安心と嬉しさから頬が緩むのを抑えきれず、ニヤニヤ笑いながら、香のチョコ作りを見ていた―――。





・・・そんなことがあったので、家に帰ったら、香からいつものように手作りチョコがもらえると解っている撩は、自分では気づいていないものの、自然と頬が緩んでいた。

そして、家に着いたら、香がコーヒーを挽きはじめていて、香ばしい匂いをさせていて、今度は完全に頬が緩む。

「ただいま」
「おかえり。今、コーヒー淹れるから一緒に飲もう」
「あぁ」

ソファに座ると、ほどなくして、香がトレイにカップを載せて持ってきた。
それをローテーブルに置くと、またパタパタと離れて、今度は可愛くラッピングした袋を「はいっ」と差し出す。

「これ、バレンタインのチョコ」
「あぁ」
「撩が作ってって言ってたから作ったわよ」
「サンキュ」

撩はそれを受け取って、フッと笑みを浮かべた。

「・・・食べてみて?」

香はどこか不安げな顔をして訊く。
そして、それは毎年のことだ。
撩は甘いものが苦手なのを知っている香は、果たしてチョコを撩が食べるかどうかが解らないからそんな顔をするのだろう。
でも、撩は・・・

・・・おれは、おまぁのは食うっつってんだろ?
ってか、香のしか食わねぇ、とも云うけどな。

苦笑しながら、それを開けると、箱が出てくる。
それも開けると、一見、普通の甘さのチョコのように見える、それ。
チラ、と香を見ると、じっと自分を見つめている。

例え、甘いチョコだったとしても、香からのチョコならば、どんなものでも食べる撩。
1つ摘むと、ひょいっと口に入れる。
すると、撩好みの味が口に広がって、自分の好みの味で作ってくれる香に、ふと擽ったさを感じてフッと笑みを浮かべた。

「・・・いいんじゃねぇ?」
「ホント?」
「あぁ」
「よかった~」

香が明らかにホッとしたので、撩はニヤリと笑う。

「何ホッとしてんだよ。なんか作ってる時にミスったのか?」
「ち、違うわよ。せっかく食べてもらうんだから、美味しい方がいいじゃない?市販のじゃなくて手作りだし、食べてもらうまで解らない・・・から。それに・・・」

もじもじして撩をチラチラと見る香。

「それに?なんだよ、香」
「・・・・・・ううん、何でもない」
「ダーメ。気になるだろ?・・・言えよ」

撩が香をじーっと見つめると、香は途端に顔を真っ赤にして「あのね?」と上目遣いで撩を見つめてくる。

「うん」
「・・・好きな人に食べて欲しいものは、美味しい、って言ってほしいから」

小さく、ホントに小さく呟かれたそれに、撩は眼をぱちくりと見開く。
香はもじもじと撩の服の袖を掴んでいる。

・・・なんで、おまぁはそこでこんな反応するかなぁ。
こんな、可愛い反応を。

撩の胸が甘く疼く。
好きだ、という想いが込み上げてくる。
キスして、抱きしめたくなる。

そして、撩は香の耳元でそっと囁いた。
極上の甘い声で。

「・・・おまぁが作ったんだから、美味いに決まってんだろ?」

一瞬、撩と視線がかち合った香は、大きい瞳で撩をじっと見つめた後、嬉しそうにはにかんで、また小さい声で「ありがと」と呟いた。
撩が香を抱き寄せると、小さくて華奢な身体は簡単に撩の胸にその身を委ねる。
そして、また俯きそうになる香の頬を捕え、上を向かせる。

自然とまた視線がかち合って、それが絡み合う。
頬を染めて、瞳が徐々に潤みだす香に、撩はフッと微笑うと、香の腰に手を添え、額に唇を寄せ、それから瞼、鼻、頬へリップ音をさせて口づけ、一旦離れて香と目を合わせる。

「撩・・・」
「おまぁは食った?チョコ」

すると、香は首を横に振る。
じゃぁ、と撩は優しく微笑んだ。

「後で一緒に食おうぜ。まだ残ってんのあるんだろ?」
「あるよ。大目に作ったし」
「じゃぁ、後でな」
「今じゃないの?」

小首を傾げる香に、撩はククッと楽しそうに喉を鳴らして笑う。

「後で。今は、とりあえず・・・」

そして、撩は香に顔を近づけて、香に触れるまであと僅かになったところで・・・

「おまぁが先な」

もう眼を閉じている香を優しく眼を細めて見つめると、優しく柔らかい唇に自分のそれを重ねた。

香が淹れたコーヒーが湯気をたて、香ばしい匂いをさせて飲まれるのを待っているが、少しずつ温くなって、飲まれるかどうかも怪しくなるほどに、2人は艶のある吐息を時に漏らしながら、チョコよりも甘いキスをして、何より甘い時間を過ごしたのだった。





++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

<あとがき>
バレンタインのお話でした(*^^)v
いかがだったでしょうか?
相変わらず、遅刻してますが、まぁ、そこは描いてるのが実梨ってことでスルーしちゃってくださいね(笑)
どんな話にしよう、とグルグル考えて、何度も書き直ししてできたのがこれって・・・。
本当にどうもすみません・・・m(__)m
バレンタインだから、甘々にしよう、と思って描いてみたけど、ちょっとは甘くなってればいいなぁv
デパートの特設会場とか行ったら、色々ありすぎて、迷っちゃいますよね(*^_^*)
撩がもし、そんなとこに行ったら、会場内に入るだけでも嫌がりそう( *´艸`)
ってか、やっぱり香ちゃんからもらうチョコは撩にとって特別なので、香ちゃんだけは撩好みのチョコを毎年手作りしてほしいなぁvvv
最後まで読んで下さった皆様、どうもありがとうございましたvvv

【 2014/02/19 (Wed) 】 NOVEL | TB(-) | CM(0)
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撩&香の一コマ♪
プロフィール

実梨

Author:実梨
シティーハンターが好きで、二次創作を始めました(^^ゞ
カッコいいリョウと可愛い香ちゃんを目指して、日常の色んな2人を描いていけたらいいな、と思ってますv
初心者なので、まだまだ未熟で駄文ばかりではありますが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです♪

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・ 3/ 23 NOVELをUP
・ 3/ 14 MEMOに拍手御礼
・ 3/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
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・ 2/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
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・12/ 7 サイト5周年~♪ホントにどうもありがとうございますvv
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