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風邪引き彼女と過ごす正月




















年末まで忙しく立ち働いていた香が、年明け早々・・・熱を出した。

「大丈夫か?おまぁは働きすぎなんだよ」
「そんなことないんだけどなぁ・・・」
「無事におせちを作り終えて、安心したんだろ」
「うん・・・そうなのかなぁ」

香が、あはは、と苦笑する。

「ま、この正月はゆっくりしてるんだな」
「うん、そうする」

香が、はぁー、とため息をつくと、撩がひょいと香を覗き込む。

「辛いか?」
「うーん・・・辛いっていうか、折角のお正月なのにカゼ引いたのが悔しいっていうか・・・」

瞳に元気がない香が伏し目になる。

「あたし、ちょっと部屋で寝てるね」
「ん?あぁ」

香が立ち上がって歩き出したところで、撩にぐいっと腕を掴まれた。

「え?・・・きゃっ」

突然、香の視界がぐるんと変わり、見えるのは天井だ。
撩が香を抱きかかえた。
所謂、お姫様抱っこで。

「部屋ってまさか、おまぁの部屋じゃないだろうな。あのベッドはもうほとんど使ってなくて寒いだろ。だから、おれの部屋で寝てろ」
「でも」
「いいから」

困惑する香は撩を見上げるものの、すでに、撩に抱きかかえられているのだから、抵抗できるはずもなく、そのまま撩の部屋まで運ばれ、そっとベッドの淵に腰掛ける状態で下ろされた。

「寝るならここで寝てろ」
「・・・分かった。夜までここで寝かせて?夜は自分のベッドに行くから」
「ダメ。今も夜もここで寝てろ」
「でも、そしたら撩にカゼがうつっちゃうかもしれないでしょ?」

撩はジト目で香を見ると、ピンと香の額を弾く。

「いたっ」
「バーカ。おれがそんなヤワにみえるか?そんなんでうつらないっての」
「撩・・・」

香が撩を見上げると、撩が優しく笑った。

「だから、ヘンな心配しないでおまぁは寝ろ。いいな?」
「うん・・・」
「じゃぁ、さっさと布団に入ってろ」

ごそごそと香が撩のベッドに入る。
撩が、香がかけている布団を直すと、ポンポンと優しくあやすように叩いた。

「じゃぁ、おれは下にいるから、なんかあったら電話しろよ。すぐ行くから」
「うん」

撩が一旦部屋を出て、香の携帯電話を持ってきた。

「ここに置いておくからな」
「ありがと」
「ちゃんと寝るんだぞ」
「はいはい、ちゃんと寝るわよ。信用ないなぁ」

香は苦笑するが、撩の優しさに心が温かくなり、嬉しくなる。
香の頭を優しく撫でて部屋を出て行こうとした撩を、香が呼び止めた。

「撩」
「んあ?」

クルリと振り返る撩。

「あの・・・あのね?」
「ん?」

撩が戻ると香が撩を見つめる。

「いいからね?」
「・・・何が」
「初詣。行ってきていいよ」

撩は黙って聞いている。

「あたしは寝てるし、撩はヒマでしょ?だから、初詣に行って来たら?前はナンパしに行ってたじゃない。だから、あたしのことは気にしないで?」

そう言いつつ、潤んで切なそうに撩を見るその眼は明らかに『寂しい』と物語っていて、言ってることとは裏腹なその瞳に、撩はフッと優しい眼差しで香を見た。

・・・目は口ほどに物を言う、ってこういうことを云うんだな。

そんな香が可愛くて、愛しくて。
撩は、香の額に口づけた。

「そんな顔で云われたって説得力、何もねぇぞ?」

こんな時でも素直になれない・・・いや、こんな時だからこそ素直になれないのか。
熱を出して心細い時でも思いと裏腹なことを言ってしまう香が可愛くて、撩はニヤリと笑った。

「え?」
「顔に書いてあるぞ?『寂しいから行かないで』って」
「え・・・ええっ?!」

香は焦って自分の顔を手で隠す。
その顔は赤い顔がさらに赤くなって真っ赤だ。
図星を言い当てられて慌てる香が可笑しくて、撩はククッと笑う。

「心配すんなって。どこにも行かないよ。だいたい人混みの中に行くのもイヤだしな。それに、この3が日に行かなくても初詣なんていつでも行けるだろ?もっこりちゃんもいつでもいるし」
「撩・・・」
「だから、安心して寝るんだぞ」
「うん・・・あ」
「今度はなんだよ」
「ってことは、明日の新春バーゲンも・・・」
「ダメに決まってんだろ」

撩は呆れて香を見やる。

「えー。福袋、欲しかったなぁ・・・」

香がちょっと唇を尖らせて拗ねてみせると、子供みたいで、撩がプッと吹き出す。

「まぁまぁ。その分、おれが構ってやるから機嫌直せよ」
「もう、構ってやるって何なのよ。まるで、あたしが子供みたいじゃない」

と言いつつ、嬉しそうな表情をする香。

「子供だろ?」
「違うもん」

撩が茶化すと香がぷっと拗ねる。
でも、その後、クスッと微笑んだ。

「・・・撩、ありがとう」
「何が?」
「構ってくれるんでしょ?お正月の間、ずっとあたしに構ってね?」
「おぅ、ちゃーんと構ってやるよ、イヤっていうほどな」

撩が一瞬、ニヤリと笑う。

「だから、ちゃんと寝て早く治せよ?おかゆ作ったら起こしてやるから」
「え、撩が作ってくれるの?」
「他に誰が作るんだよ」

撩が思わず苦笑する。

「・・・うん、じゃぁ、待ってるね」

香は布団を目の下まで引き上げて顔を隠す。
それが、嬉しくて頬が緩むのを隠すためだと解る撩は笑みが零れた。

「おぅ。美味いの作ってやるから全部食えよ」
「うん」
「あ、餅はどうする?」
「んー、今はいらないかな」
「了解」

そして、撩が布団を下げて香の目を覗き込む。

「だから、目を閉じて、寝てろよ」
「うん」

ゆっくり瞳を閉じる香。
長い睫が一瞬フルリと揺れる。

―――ちゅ。

香の唇に撩の唇が触れて、驚いた香がパチっと眼を開く。
それに気づいた撩が困ったように微笑う。

「だから、目ぇ閉じろって」
「だって、撩がキス、するから」

香が焦ると、撩がクスッと笑う。

「・・・おまじない」
「おまじない?」

撩がウインクをする。

「おまぁのカゼが良くなるおまじない」

すると、うっすらと頬を朱に染めて、香が柔らかくはにかんだ。

「ありがとう。効き目バッチリだよ、きっと」
「あぁ、そうだな」

香の頭をまた撫でると、今度こそ撩は部屋を出て行った。
香はまた布団を顔が隠れるほどに引き上げると、ポソッと呟いた。

「もう・・・眠れないじゃない」

・・・撩が触れた唇が熱くて。
撩が触れた温もりが残ってて。

香は嬉しくて、しばらくぽーっとしていた。



****



コンコン。

「香?入るぞ」

おかゆが入った鍋と器を載せたお盆を持った撩が部屋に入ると、香が静かに寝息を立てて眠っていた。
布団が顔まで上げられていたので、クスッと笑ってそっと下げる。

「そんなに布団被ったら熱いし苦しいだろ?」

そして、香の寝顔をじっと見つめた。
起きている時は元気な香も、その寝顔はあどけなくて少し幼く見える。
ホントはここで起こすべきなんだろうけど、香の寝顔をもう少し見ていたくて、ベッドに肘をついて香を見つめる。

・・・初詣にしろ、ナンパにしろ、おまぁがいないとダメなんだ。
初詣に1人で行ってもつまらない。
ナンパをしても、もともと成功なんてさせる気がないんだから、おまぁがハンマーしないと終われないだろ?
それに、香・・・お前とじゃないと楽しくないんだよ。
だから・・・

「・・・早く元気になれよ。でないと、もっこりもできないだろ?」

まぁ、後半のそれは撩の照れ隠しだとしても、事実だ。

・・・おまぁの笑った顔が好きだから。
元気なおまぁが好きだから。
だから、今年もずっと、おれの側で、おれの隣で・・・笑ってろ。
お前はおれが・・・守るから。

そんな想いを込めて、香の唇にそっとキスを落とした。

「眠り姫を起こすにはキス、だよな」

そうクッと笑うと

「香、おかゆ作って来たから起きろよ」

香を優しく起こしにかかり、香がゆっくり眼を開けた。

「あれ?あたし、寝てた?」
「そうみたいだな。おれが来ても気付かずに寝てたし」
「うん、いつの間にか寝てたみたい」

香がそっと微笑む。

「おかゆ、持ってきたぞ」
「あ、ありがとう」
「これ食べて、薬飲んでまた寝ろ」
「うん・・・あ。あたしはおせちいらないけど、撩はちゃんと食べてね」
「大丈夫だって、ちゃんと食うから」

撩は苦笑すると、器におかゆをよそって香に渡す。
フーフーと少し冷ますと、パクっと口に入れた。

「んー・・・美味しい。撩、ありがとう」
「おぅ。しっかり食べろよ」
「うん」

それから、香はゆっくり食べ始めた。
その間、撩はずっとそばにいて、話をしながら香が食べるのを見ていた。

「おせちはカゼが治ったらな」
「うん」
「早く治せよ。食いたいだろ?おせち」
「うん、撩に全部食べられないように早く治さなくっちゃ。それに・・・」
「ん?」

撩が香を見つめると、香が恥ずかしそうに呟いた。

「早くカゼを直して、撩に・・・抱きしめてほしいから」

カァァッと真っ赤になる香。
カゼを引くと人恋しくなるものだけれど、まさか、こんな嬉しいセリフが聞けるとは。
撩はニヤリと笑みを漏らす。

「そんなこと言われたら、おれ、理性が保たないんだけど?」
「だ、ダメよ、今は」
「今はな。けど、治ったらしっかりそうさせてもらうから、覚えとけよ?」
「・・・うん」

2人の視線が絡み合うと、どちらからともなく顔を近づけて、唇が重なった。

「―――あ、ごめん、撩。カゼうつったらどうしよう」

離れてから慌てる香に、撩がクスッと笑う。

「だーいじょうぶだって。新年早々、うつってたまるか」
「でも・・・」
「大丈夫。うつらないとは思うけど、まぁ、その時はその時ってことで」
「もう、適当なんだから・・・」

撩はそっと少し熱く赤くなっている香の頬に手を添える。
そして、安心させるために、香が瞳を閉じるのと同時に、また撩は香にキスを落としたのだった。





++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

<あとがき>
2014年、お正月SSですvvv
新年っぽくないSS・・・になっちゃったかなぁ?
(新年の挨拶がないですが、新年の話ですよー)
私がカゼ引きなこともあって、香ちゃんにもカゼを引いてもらいました(^^ゞ
いかがだったでしょうか?
カゼで少し弱ってる香ちゃんと、そんな香ちゃんを温かく包む撩ちゃんを描きたかったのです(*^▽^*)
でも、何が描きたかったんだ?と云われたら、上手く答えられないですΣ(゚Д゚)
どうもすみませんっm(__)m
んー、まぁ、ラブな2人が描けたから、ま、いっかー、って思ってみたり(笑)
こんな、まったり迎えるお正月ってのもいいかなぁ、と思って(*^^)v
今年もこんな感じでまったりラブラブな2人を描いていけたらな、と思ってますので、どうぞ、よろしくお願いしますvv
最後まで読んで下さった皆様、どうもありがとうございましたvvv

【 2014/01/04 (Sat) 】 NOVEL | TB(-) | CM(0)
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撩&香の一コマ♪
プロフィール

実梨

Author:実梨
シティーハンターが好きで、二次創作を始めました(^^ゞ
カッコいいリョウと可愛い香ちゃんを目指して、日常の色んな2人を描いていけたらいいな、と思ってますv
初心者なので、まだまだ未熟で駄文ばかりではありますが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです♪

更新履歴
・ 8/ 24 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 18 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 6/ 16 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 4/ 22 MEMOに拍手御礼(お待たせしてすみませんでした)
・ 4/ 17 遅ればせながら香ちゃん、お誕生日おめでとうvv
・12/ 7 サイト6周年vホントにどうもありがとうございますvvv
・11/ 13 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・11/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・10/ 19 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 10 EVENTに5周年記念SS(後編)をUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 4 EVENTに5周年記念SS(前編)をUP(今更ですみませんっ)
・ 7/ 13 MEMOに拍手御礼
・ 7/ 2 NOVELをUP
・ 6/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 5/ 23 NOVELをUP
・ 5/ 5 MEMOに拍手御礼
・ 4/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 3/ 31 香ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 26 撩ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 23 NOVELをUP
・ 3/ 14 MEMOに拍手御礼
・ 3/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 2/ 19 NOVELをUP
・ 2/ 10 SSSをUP
・ 2/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 22 MEMOに拍手御礼
・ 1/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 5 どうぞ2014年もよろしくお願いしますvNOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 31 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 29 MEMOに拍手御礼
・12/ 25 NOVELをUP
・12/ 24 NOVELを2話分UP
・12/ 15 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 7 サイト5周年~♪ホントにどうもありがとうございますvv
・11/ 28 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・11/ 18 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・10/ 20 MEMOに拍手御礼
・10/ 5 MEMOに拍手御礼
・10/ 4 NOVELをUP
・ 9/ 23 NOVELをUP
・ 9/ 16 LINKに素敵サイト様1件追加!&MEMOに拍手御礼
・ 9/ 1 NOVEL2話目をUP&MEMOに拍手御礼
  ・ 8/ 15 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 5 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 30 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 7 七夕SSをUP
・ 6/ 30 NOVEL1話目をUP&拍手御礼v
・ 6/ 17 ついに!新しいPCになりましたーっvvv&拍手御礼v
・ 2/ 8 EVENTに4周年記念SSをUP&MEMOに拍手御礼v
・ 1/ 20 LINKに素敵サイト様1件追加!
・ 1/ 8 NOVELにお正月SSをUP&MEMOに拍手御礼v
・ 1/ 2 2013年v新年あけましておめでとうございますvv今年もどうぞよろしくお願いいたします☆
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