FC2ブログ
1012345678910111213141516171819202122232425262728293012

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【 --/--/-- (--) 】 スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

パイロットとクリスマス3

※このお話は『Missパイロット』というドラマの設定でRKならどんな話になるのかな・・・?と妄想したことから描き始めた話ですv
なので、ドラマの設定を少なからずお借りしています(CH仕様で、ドラマと設定を似せている話になってます)
もちろん、パラレルですので、読みたくない方は読まれない方がいいかもしれないです。
あと、ドラマが好きでイメージが崩れるのがイヤだ、という方も読まれない方がいいかも・・・?
これは、完全に私の妄想で、ドラマのイメージもRKの性格も違ってます。
それでもイイよー、という方のみ、お読みください。
読み終わってからの(読み途中でも)苦情等は一切受け付けませんので、どうぞよろしくお願いします。
ドラマを観た方も観てない方も少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです♪
それでは、どうぞvv





















無事に日本に帰ってきた6人を待っていたのは、最終試験へ向けてのキツい最後の追い込みの訓練だった。
パイロットになったら、香達が実際に操縦する飛行機と同型の訓練機で、実際と同じように操縦する訓練で。
当然、色んなケースを想定しての操縦なので、もちろん、トラブルも発生する。
それに、どう対処するか、冷静にならなければならない。

今までとは全く違い、とにかく身体で覚えるしかなく、頭と五感をフル活用して、とにかく必死だ。
そして、そこで、みんな多かれ少なかれ、苦戦する。

香も例外ではない。
最初と比べれば、随分勉強もしているし、しっかりしてきて、操縦のシミュレーションもできている。
でも、実際にやると、感覚もあるのだろうが違いが出てきて、コツを掴むまで少々時間がかかるかもしれない。

撩はアメリカでのあの日から、より香を見守っているものの、最終試験を前に、それどころではないのか、特に変化はないようにみえた。
そして、撩も訓練機に乗り込んでの直接指導で、香は撩に何度も注意されていた。
香は返事をして、直そうとするものの、いつも同じところで間違うようだ。

これは、香自身のことなのか、それとも―――

考えられるのは、ただ1つ。
アメリカでの、あの出来事。
あれが原因で、香の訓練に支障が出ているのではないか、と撩は思い・・・。

訓練の後、注意点をおさらいした香は、ふぅ、とため息をついて部屋を出て廊下を歩く。
手でレバーを引く仕草をする。

・・・なんで上手くいかないのかなぁ?
引き方が遅いのかな?

色々と考えながら歩いている香だったが、撩に呼び止められて振り返る。

「槇村」
「はい」
「ちょっと・・・」

撩に連れてこられたのは、人があまり来ない廊下の一角。

「あの・・・」

香も撩も、あの日以来、呼び方がまた『教官』『槇村』に戻っていた。

「あー・・・お前、どうなんだ」

撩が言いにくそうに切り出すと、香は、自分があまりに注意されるから撩に心配させているんだ、と思い込み、申し訳なく思う。

「すみません、なかなか上達しなくて」

香が頭を下げると。

「ん?いや、それはいいんだ。ここは誰でもコツを掴むまでは大変だから」
「はい」
「そうじゃなくて・・・」

撩がどう言おうか迷っていると、香が小首を傾げる。

「教官?何でしょうか?」
「いや、だからな?・・・お前さ、夜、ちゃんと寝てるか?」
「夜、ですか?失礼な、ちゃんと寝てますよ」
「ちゃんとだぞ」

撩が思いのほか真剣な眼で、真意を探ろうと香の瞳を覗き込んで、じっと見つめる。
それに応えるように、香も見つめ返す。
なんとなく、撩の言いたいことが分かったからだ。

「ちゃんと、です。ちゃんと寝てます。だから、大丈夫です。でも、勉強をしなきゃいけないからある程度は起きてますけど」
「それ、ホントだな?」
「ホントです」

撩の眼を真っ直ぐ見つめて答える。
じゃぁ、と言って、また撩が切り出した。

「・・・あのことはもう切り替えられてるのか?」

小声で、でも単刀直入に訊いてきた撩に、香は一瞬、目を丸くした後、そっと頷いた。

「・・・はい、大丈夫です」
「ホント、なのか?」

しつこいぐらい訊く撩に、香も真剣に答える。
撩の気持ちが分かるから。
あんなことがあった後の訓練でミス続きなら、そう思われても仕方がない。
でも。

「全く気にならない、怖くない、って言ったらウソになりますけど、助けてくれたから」
「助けるって・・・」

香は無言で頷く。

「あの時・・・撩に助けてほしくて呼んでたら、ちゃんと来てくれたから。あたしのこと、助けてくれたから」
「・・・・・・」

撩が驚いて眼を大きく見開く。

「撩が来てくれたから。だから、もう大丈夫。あたしの中で思い出す時もあるけど、撩がいつも助けてくれるから」

香が真剣に真っ直ぐ嘘のない瞳で撩の眼を見る。
そして、もう1回繰り返した。

「あたしは大丈夫だから」

そう言うと、ペコリと頭を下げて何歩は歩き出して、また、撩に呼び止められた。
振り向く香に、撩自身、驚いたけれど、ふと沸き上がった想い。

・・・まさか、香がそんな風に思っていたとは思わなかった。

変化球なしの真っ直ぐに来た言葉に、胸が高鳴り甘く痺れて、こそばゆくなり、頬がどうしても緩みそうになるのを手で口を押さえて、必死に耐えた。

そして、口からついて出た言葉は・・・

「もし、お前が最終試験に受かったら・・・」
「・・・受かったら?」

香は撩を見つめ続け、次の言葉を待っている。

「お前が無事にパイロットになれたら、飯を奢ってやるよ」
「・・・え」

香が眼を丸く見開く。

「飯、奢ってやる」
「教官・・・」

香がパァッと笑顔になって、香が『教官』と言ったことを考えて、香が何かとんでもない勘違いをしていることに気付き、撩は慌てて香に言い足す。

「お、おいっ。ちょっと待て」
「?なんですか?」
「言っとくけど『教官』としてじゃないからな、他のヤツには奢らねぇぞ?だから、他のヤツには言うなよ?」
「え?」

香が、違うの?とでも言うように首を傾げた。
撩は、やっぱり、とホッとする。

「そうじゃなくて・・・お前に飯を奢るのは、教官としてじゃなくて、お前の昔からの知り合いの冴羽撩、として、だからな?そこんとこ勘違いするなよ?」

香が一瞬、大きく眼を見開いて、それから破顔して嬉しそうに笑った。

「ホント?ホントに?撩が奢ってくれるの?」
「あぁ」
「ホントにホント?」

だんだん疑わしそうな表情をして何度も訊いてくる香に、撩から苦笑が漏れた。

「おれってそんなに信用ない?」
「うん、ない」
「即答かよ」

またもや苦笑する撩に、香が力強く頷く。

「そりゃそうよ。いっつもあたしをからかってばかりのくせして何を信用しろって?」

ムー、と口を尖らせる香に撩はプッと吹き出した。

「そういえば、そうだったっけ。でもまぁ、今回は信じとけ」
「・・・うん、分かった」

香が嬉しそうにはにかんでコクリと頷く。

「だから、24日は空けとけよ。お前は空いてるよな?」
「え?24日・・・?うん、あたしは平気だけど・・・その日ってクリスマスイブだよね?むしろ、撩の方が空いてないんじゃない?向こうにいた時も時々キレイな女の人と食事してたみたいだし、こっちに帰ってきても、色んな女性(ひと)に声かけてるじゃない」
「あん?あれは・・・別におれの女じゃないし。向こうにいた時のは、単に知り合いってだけだ」
「ふーん。で、撩も空いてるの?24日」

・・・おいおい、おれから誘っておいて、その日が空いてないっておかしいだろ。

撩はくくっと笑いだす。

「空いてるよ。だから誘ったんだろ」
「あ、そっか。そう、だよね。あたし、何言ってんだか」

あはは、と頬を真っ赤にして香が恥ずかしそうに笑う。

「食べたいもの、あるか?」

撩に急に具体的なことを訊かれて、ドキッとする香。
真実味が帯びてきて、ドキドキと胸が高鳴る。

「食べたいもの・・・」

ドキドキと鼓動が速くなっている状態で、頭が回るわけもなく。

・・・クリスマスイブだし、好きな人と2人で行くってことは一般的で言うデートってことだし、だったら、ちょっとお洒落なとことか行ってみたいな、とかとか・・・。

頭の中でグルグルと回る想い。
何が食べたいんだろう、と思いながら、ふと気づく。

・・・あたし、撩と一緒ならどこだっていいんだ。
でも、やっぱりせっかくのクリスマスイブだし、付き合ってなくても、ちょっとくらい雰囲気のあるところに行ってみたいかな。

百面相している香を笑いながら見ている撩は、ポンポンと香の肩に手を置いて、思考中の香を戻す。

「いいや。おれが決めとく。お前、好き嫌いないよな?」
「うん、ないけど・・・」
「けど?」

オシャレなお店に行きたい、と言ってもいいのだろうか?
香は言い淀んだ・・・でも、やっぱり。

「クリスマスイブだから、ちょっとオシャレなとこに行ってみたいなって・・・」

撩を窺いながらおそるおそる言う香に、撩は笑って「あぁ」と言う。

「心配すんなって。ま、予約できるかどうか分からないけどな」
「うん、ありがとう」

はにかむ香に、撩もフッと微笑む。

「だから、香」
「ん?」

スッと撩の顔が真剣になるのを見て、香も背筋を伸ばす。

「絶対に受かれよ。試験まで日がないからな、できないとこは徹底的に教えてやる。おれが、お前を絶対にパイロットにしてやるから」
「撩・・・」
「だから、22日は絶対に受かれよ。解ったか?!」
「・・・はい。よろしくお願いします」
「・・・あぁ」

先に撩が立ち去り、あとに残された香は、絶対に自分をパイロットにしてくれる、と言った撩の気持ちが嬉しくて、撩の想いに応えるためにも、なんとしても頑張らなきゃ、と気合を入れた。

それから、訓練生達は最後の追い込み、とばかりに、撩に操縦の相手として付き合わせ、毎日、1人1人を相手にしている撩は、正直、疲れていた。
そんなある日、全員を呼び集め、撩が怒鳴った。

「おいっ、お前ら全員でおれをこき使いやがって。これだけこき使っといて落ちたらタダじゃおかねぇからな」
「はいっ」
「・・・明日は、とうとう最終試験だ。泣いても笑っても1回勝負だからな。気合入れてやれよ」
「はい」
「じゃ、今日は早く寝て体調を整えろ。いいな」
「はい」

その後、各自、緊張と興奮で過ごし・・・。
ついに迎えた最終試験日。
12月22日。

訓練生達が並んでいる向かいに立つ撩。

「これから最終試験を始める」

これを合図に始まった試験。
1人1人呼ばれて訓練機に入っていく。
残りは別室にて待機。
そして、美里が呼ばれた。

「美里」
「香」
「大丈夫だから、落ち着いてね」
「うん、大丈夫よ。ありがと、香。じゃ、いってくるね」
「うん」

最後になった香は1人で待っている間、窓から見える飛行機に眼を向ける。

・・・今まで憧れだったパイロットに、ついに手が届いた。
これに受かればパイロットとして飛行機を操縦するのだ。
飛行機を飛ばすには、様々な人の助けがあって、飛べるのだ。
その人達の想いを乗せて、お客様に安全で楽しい旅をしてもらえるように、頑張るぞ、とそっと気合を入れた。

その時、撩から名前を呼ばれた。

「槇村。行くぞ」
「はい」

訓練機の前で、撩と目が合った。
撩の眼に強い光を見たような気がして、香もそれに応えるように頷いた。

・・・あたし、絶対にパイロットになるから。

撩の後に続いて、訓練機に入った―――



試験が終わってさっきと違う待合室に行くと、みんなの視線に晒されて驚いたけど、何も云わずに席に着いた。
それから待つこと・・・何分待っただろうか。
撩と試験官の上司が入ってきた。

一瞬、訓練生達に緊張が走る。
ゴクリと生唾を飲む音が聞こえる。

撩が1人ずつ名前を呼んでいく。
美里が呼ばれた後で、最後に香の名前が呼ばれた。

「――――――太田美里・・・槇村香」
「はい」
「―――合格」

「・・・・・・え?」

みんなして顔を見合わせる。

「全員、合格だ」

静かに告げる撩に、一瞬遅れてから、みんなで喜びを爆発させた。

「やったーっ!!」
「受かった!」
「おれ達、受かったぜーっ!!!」

香も美里と抱き合って、受かったことを喜んだ。
その合間に、ふと撩と目が合った香は、撩が優しい眼差しで自分を見ていることに気付き、香も1つ大きく頷いた。

「静かに!」

撩の声に、途端に静かになる。
さすが、今まで3年近く、撩の怒声を聞き慣れただけある。

「あとで、篠崎さんのとこ行くから」

篠崎、と言うのは撩の上司、である。

「はい」

元気よく返事した訓練生達は、まだ興奮冷めやらず状態で、部屋から出て行った。

香も、えへへ、と笑い、アニキに教えてあげなきゃ、と足取りが軽くなった。
篠崎のところへ行って、自室で落ち着いたところで、秀幸と冴子に合格を知らせると、すぐに2人からお祝いメールが送られてきた。
香は電話を胸にあてて、もう一度、喜びに浸った。

・・・あたし、本当に受かったんだ。

喜びにニヤついていると、電話が振動を知らせて「わっ」とビックリする。
見ると、メールのようだ。
相手は、撩から。
それだけでドキッとする。

メールを開くと、そこには、香の合格を祝う短い言葉と、24日のこと。

ドキッ。

さっきより強く胸が高鳴った。
実際にこうやってメールで見ると、撩と食事に行くことはどうやら本当みたいだ。
しかも、クリスマスイブ。
撩と2人きりで。

香は、1人で顔を真っ赤にして、ブンブンと首を横に振る。

・・・ダメよ、香。
勘違いしちゃ。
撩は、あたしのパイロットのお祝いで一緒に食事してくれるだけなんだから。
あたしは、いつも撩にからかわれてばかりで・・・
撩の、恋愛対象じゃ―――ない。

そう自分に言い聞かせて、了解の返事を返す。
そして、23日は1日フリーで、秀幸の家に行った。
秀幸はいなかったが、冴子と2人の小さな子供達が出迎えてくれて、楽しい時間を過ごした。
子供達と遊び、冴子と話したら、なんだか落ち着いて、普段通りにイブを迎えられそうだった。





そして、24日。
クリスマスイブ。

空港でも色めき立ち、休憩中など誰もがそわそわしていた。
香もその1人で、どこかそわそわしていた。

就業時間が終わると、美里はさっさと寮に帰って着替え、彼氏とデートに行くという。

「え、美里って彼氏いたんだ」
「いるわよ。言ってなかったっけ」
「聞いてないわよ」
「そうだっけ?ま、いいけど、とにかくいるのよ。で、今日は久々のデートってわけ。じゃ、ちょっと行ってくるわね」
「いってらっしゃい」
「香は?どうするの?」

突然、話を振られた香は、えっ?!と驚いて身体をビクッとさせる。

「何ビクッとしてんのよ」
「え、うん。何でもないよ」
「ふーん。ま、いいけど。じゃ、行ってくるね」
「うん、いってらっしゃい」

香も急いで自室に戻って、着替える。

・・・普段はあまり着ないワンピースなんか着てみたりして、テンション高いのバレバレ?

香は姿見でクルッと回ったりしながら自分自身を見つめる。

・・・撩、引いちゃうかな。
それとも、からかわれるかな。
・・・・・・。
うん、からかわれる方に賭けることにする。

外は寒いので、コートとマフラーをしっかり巻いて、いざ、撩との待ち合わせ場所へと向かった。
ちょっとオシャレして高めのヒールも履いた。
期待と少しの不安に胸をドキドキさせながら、待ち合わせ場所へ着いたら、時間より早くて、どれだけ楽しみにしてるのよ、と苦笑が漏れた。

風が冷たく、マフラーをグルグル巻いて正解だ。
キョロキョロしながら、撩が来ているか見てみたけれど、どうやらまだ来ていないみたいだ。

・・・撩、いつ来るのかな?
どんな恰好してくるんだろう。
あたし、こんな着慣れない恰好だけど、大丈夫かな?
おかしくないかな。
ちゃんと似合ってるかな。
バカにされないかな・・・

一度、考え出すとグルグル回り、徐々に顔が俯いていくのを慌てて上げて、電話が鳴ってもすぐに出られるようにケータイを胸に抱えて撩を待っていた。

一方、撩も早めに寮を出て、香を待たせないように早めに待ち合わせ場所に来たつもりだった・・・けれど、近くまで行ったら、寒さのためか頬を染めて、そわそわしながら待っている香を見つけて、思わずクッと笑ってしまった。
キョロキョロしたり、はにかんでみたり、表情をコロコロと変えて、見ていて面白い。

・・・なんでアイツは百面相してるんだか。

そんな香が可愛くて、ずっと見ていたい、と思ったものの、とにかく寒い。
ケータイを取り出して、香の行動を思ってククッと肩を揺すって笑い出しながら、素早くメールした。
それから、そっと香を見てみると、胸元にあったケータイが震えて、わたわた慌てながらメールを見て驚いた表情をして、キョロキョロと見回していて、自分の思った通りで可笑しくなる。

香と眼が合うと、あっ、と一瞬でパァッと嬉しそうに顔が綻んで、花が咲いたように笑顔になり、手を振ってきた。
大股で近づくと、香も小走りで近づいてくる。
向き合うと、撩が香の頬を両手で包む。

「わっ」

香が驚くが、その頬は冷たくて、ブニュと引っ張る。

「バーカ。なんでこんな早くからいるんだよ」

苦笑しながら撩が言って時計を見ても、まだ待ち合わせ時間より早かった。
撩の手を離した香は、頬を擦りながら、それでもはにかんだ。

「だって・・・」
「だって?」
「嬉しかったんだもん」

小さくて、隣にいる撩しか聞き取れないぐらいの声でポソッと呟かれた言葉は、撩を喜ばせる以外のなにものでもなかった。

香も自分と同じ気持ちでいてくれたことがこんなにもこそばゆくなるとは。
撩は、なんとも言えない甘い胸の高鳴りにフッと微笑んだ。

「そんなに楽しみだったのかよ」
「うん。だって、無事にパイロットになれたから、こうやって食事に行けるわけだし」
「・・・あぁ、そっちか」
「ん?何か言いました?」
「いーや、何でもない」

これが、香の照れ隠しだったらいいな、と思う撩は、香の真意が分からず、撩の胸中は少々複雑になった。
ふぅ、と深呼吸をすると、香の背中に手を添えて、歩を促した。

「じゃ、そろそろ行くか」
「はい」

ちょっとしたイルミネーションでも撩を呼び、はしゃいでいる香を、撩は優しい眼差しで見守った。
時に、撩の手を取って引っ張っていくほどで、傍から見たら、恋人同士にしか見えないのだが、当人達には思惑はあっても、実際は違うところが、もどかしいところだ。

どのお店もクリスマス仕様になっていて、香をワクワク、ドキドキさせる。
そこに、とある店が香の目に留まった。
特に、何かあるわけではないんだけど、さり気なく飾られてるクリスマスの飾りに、香は何故か気に入った。
思わず脚を止めると、撩も止まる。

「どうした?」
「あ、うん。なんだか、いいなって思って」

すると、撩がニヤリと悪戯っ子のように笑う。

「正解」
「え?」

香が撩を見上げると、撩がその店を指さす。

「ここなんだ」
「?なにが?」

はぁ、とため息をついた撩は、呆れた視線を香に向けた。

「ここが、おれが予約した店」
「えっ?そうなの?」
「おぅ。お前の好みそうな店だなって思ってさ。さすが、おれ、だろ?」

撩が、どうだ、と云わんばかりにニヤリと笑うので、香は可笑しくてクスクスと笑う。

「さすが。よく分かってるなぁ」
「だろ?じゃ、行くぞ」

香を促して店に入る。
店に入って、店員と話をしている撩に何気なく見惚れていて、それに気づいて慌てて視線を逸らす。

・・・ダメダメ、香。
撩は、あたしの試験合格祝いの食事に連れてきてくれてるだけなんだから。

通された席は、壁際だった。
店内を見回すと、香が思ったとおり、内装が香好みで、一目で気に入った。

「へぇ、こんなとこあったんだ。全然、知らなかった」

メニューを見て、どれにするか決める。
飲み物は、シャンパンで。
店員にテキパキと頼む撩は、もちろん、香を指導するように口が悪くなく、普通に接していて、へぇ、と思う。

席に座って、改めて撩と向き合うと、途端に緊張して、心臓がバクバクありえないぐらいに鼓動が速まる。
撩の顔が見れなくて、思わず俯いてしまう。
それでも、チラ、と撩を上目で窺えば、へぇ、と驚いた顔をしていて、顔を上げる。

「なに驚いたような顔してるの?」
「いや・・・お前でもそんなカッコするんだな・・・って思ってさ」
「え・・・?」

とコートを脱いだ自分の恰好を見て、あ、と急に顔が真っ赤になる。

「やっぱり・・・ヘン・・・?」
「いや、別にヘンとは言ってないだろ」

撩はなぜか口に手をあてたまま、そっぽを向いている。
香は小首を傾げるが、ヘンじゃない、と言われて、とりあえずホッとした。

「えへへ。今日はイブだから、ちょっとオシャレしてみたかったの。久しぶりよ?ワンピースなんか来たの」
「あ、あぁ。お前、パンツが多いもんな」
「うん。それもあるんだけど・・・どう?」

・・・今日は特別だから。
好きな人とのデート・・・だから。
自分の中だけでもいい。
せめて、デート気分を味わいたい。

ドキドキしながら撩に訊くと。

「あぁ・・・いいんじゃねぇ?」

ドキッ。
胸が高鳴って、キュンと甘く痛んだ。

「・・・あ、ありがと」
「いいえ、どういたしまして」

香は嬉しくて頬をうっすら染めると、落ち着かなさげに辺りを見回す。
撩は、それを見て、クスッと笑う。

「香。落ち着けよ」

撩は、香が緊張しているのが見えて、当たり障りのない話を振った。
それに、香が答えて話しているうちに、香も緊張が解れたのか、コロコロと表情を変えるようになった。
そうなると、今度は香が話して、撩が相槌を打ち・・・となる。
話は、訓練の話や他の訓練生の恋の話、どうしてパイロットになったか、など、今まで厳しい訓練を共にした仲間の話が主になったが、撩も知らないわけじゃないので、適当に聞きはするが、面白くないのも事実で。

・・・おれといるのに、他の男の話なんてしてんじゃねーよ。

これが本音だったりする。

自然にそうなっていたのだろう。

「どうかしたの?」
「あん?」
「だって、眉間に皺寄せてるから」
「・・・そうか?」

そして、眉間に触ってゴシゴシと何回か擦って消してみる。

「・・・消えたか?」

すると、香がプッと笑う。

「赤くなってるよ、そこ」
「げ」

それは、どうにもできなくて、顔を引きつらせてると、香がクスクスと笑うから、ま、いいか、と開き直る。

「あ。メールでも言ったけど、アニキと冴子さんも喜んでくれたよ」
「そうだってな。良かったじゃないか」
「うん。ありがと。みんな、撩のおかげだね」
「まぁな。おれの指導のおかげだな」
「うん・・・そうだね」

余りにも香が素直なので、ちょっと変な感じだ。

「香。お前こそどうしたんだ?」
「え?」
「やけに素直で、気持ち悪い」

ドカッ。

「ってぇ」

テーブルの下で、香が撩の足を蹴ったのだ。

「凶暴反対~」
「ふん。知らない。撩が悪いんじゃない」

・・・せっかく、ちょっと素直になったのに。

香がそっぽを向くと、ちょうどシャンパンがまず、来た。
シャンパングラスに注ぎ、ベージュっぽいゴールドの液体と立ち上る泡がキレイに光る。
撩がグラスを掲げると、香も掲げて

「メリークリスマス」
「メリークリスマス♪」

チン、とグラスを合わせて、口に運ぶ。
フルーティーな味と炭酸が、ちょっと大人になったような気分にさせてくれる。
香が、うふふ、と笑うと、撩は「あんまり飲みすぎるなよ」と窘める。

「分かってます」
「どうだか」

香はチビチビと飲んでいる。

「ホント美味しい~」
「お前、酒弱いから気を付けろよな」
「うん、分かってるってば~」

小言を言う撩に、香はプーッと一瞬、頬を膨らませる。
そこに、料理が来て、香は「わぁ」と歓声を上げた。
そして、料理を口に運び、やっぱり美味しそうに食する。

「うーん、美味しい♪」

ふて腐れていたのはどこへやら。
すでに、にっこり笑顔で食べている。

「美味しいね、撩」

それを見て、撩はププッと吹き出す。

・・・お前、拗ねてたんじゃねーのかよ。

可笑しくて、食べるどころではなく、しばらく必死に笑いをかみ殺した。

「なぁに?食べないの?」
「た、べるけど、ちょ・・・待てって・・・」

切れぎれに話す撩は、やっと落ち着いて食べ始めた。

「お。お前が言うだけあって美味いな」

ドキ。

今、何気に、香を褒めたことに撩は気付いているのだろうか。
香が撩を見ると、撩は何事もなかったように食べているので、きっと気付いていないだろう。

―――お前が言うだけあって美味いな

都合の良いように取ると、料理が上手なお前(香)が言うだけあって美味いな、となるけれど。
はたまた、食べるのが好きなお前(香)が言うだけあって美味いな、なのか。

香は、自分の都合の良い前者を取った。
そう思いたい。
香は、1人でそっと、えへへ、と照れると、また食べ始めた。

今度は、これからの話をする。
これから・・・それは、パイロットとしての香のこれから。
ファーストフライトは来年になりそうだけど、それまでにもやることはたくさんある。
それをこなして、やっと初めてのフライト。
どんな気持ちになるのだろう。
それを考えるだけでもドキドキしてくる。

食事を始めてからの話は、本当に楽しかった。

食事も終わり、デザートもOK、と云われた香は、礼を言って頼む。
やがて、それも食べ終わり、一息ついた頃。

撩が少しそわそわし始めた。
なんだろう、と香が思っていたら、急に名を呼ばれてビックリした。

「香」
「・・・何?」

撩の表情が真剣だったので、香も緊張する。
すると、撩はポケットを探って何かを取り出して、テーブルの香の前に置いた。
それは・・・ジュエリーの箱。

「え・・・」

香はただただ驚いて撩を見ると、撩は照れくさそうにしている。

「撩?」
「これ、やるよ」
「え・・・でも」

・・・合格祝いは、食事を奢ってくれることだよね?

香が戸惑うと、スイッと香の前に近づけた。

「・・・クリスマスプレゼント」

ボソッと言った撩に、香は一瞬、耳を疑った。

・・・今、なんて・・・?
あたしの聞き間違い、かな?
都合の良い方に取っちゃった?
クリスマスプレゼントって・・・。

「・・・開けていい?」
「あぁ」

ドキドキしながらそっと開けると、そこにはネックレスが入っていた。
チェーンには小さな石のついた小さなリングが通っている。
指にはめることはできないけれど、胸が高鳴った。
勘違いしないように、と思いつつドキドキする。

撩を見つめると、そっぽを向かれた。
でも、心なしか耳が赤いのは気のせい?

「・・・あ、ありがとう」

ドキドキしてなかなか声が出てこなくて、それだけ言うのが精一杯だった。
すると、撩が椅子から立ち上がる。

「つけてやるよ」

そして、香の後ろへ回る。

「い、いいよ。自分で・・・」
「いいから。つけてやるから貸せよ」

香の手にあったそれを撩が取り、腕が香の前に回され、顔は赤くなるし胸はドキドキしっぱなしになるしで、ふわふわしたような、慌てるような、落ち着かなくなる。
撩が首の後ろで留めてくれてネックレスが首に触れると、一際大きくドキッと高鳴った後、落ち着いてきた。

手でそれに触れると、確かに首にある、という感触があって、これってホントなんだ?と実感できてきた。

「ありがとう・・・撩。嬉しい」
「おぅ。それならよかった」

いまだ照れてるような撩に、香は新鮮さを覚えた。

・・・へぇ、撩でも照れることがあるんだ?
女性の扱いには長けてると思ってたけどな。

香は何度もそれに触れては、ふわっと微笑んで嬉しさを噛みしめていた。
今度は香の番だ。

「撩。あたしもあるの」
「・・・何が?」
「クリスマスプレゼント、といっても、撩ほど豪華じゃないんだけど・・・あのね?お礼も込めて」
「・・・礼?」
「うん。ホントに撩が指導してくれたからこそ合格したと思ってる。だから、『冴羽教官』にお礼を込めて」

香がにっこり笑顔で言うと、撩は「ははっ、そりゃどうも」と笑う。

そして、鞄から出した袋を撩の前に置く。
撩はそれを見て、香を見て、また袋を見る。

「・・・開けてもいいか?」
「いいよ」

ガサゴソと開ける撩に、ドキドキが止まらない香。
中身を出した撩は、あ、と言う。

「手袋・・・」
「うん。今年は寒いっていうし、男の人のプレゼントって良く分からないし。手袋ならいいかなって思って」

撩は手袋をはめて、手を握ったり開いたりしている。
手袋の模様も撩の好きそうな柄を選んだつもりだ。

「へぇ。サイズもピッタリじゃん。よくわかったな」
「ううん、知らないよ?でも、撩ぐらい背の高い人なら・・・って思って。店員さんに訊いたの」
「そか・・・サンキュ」

撩が照れて、それを鞄にしまおうとして、香が慌てて止める。

「外に出た時、それしないの?寒いよ?」
「あのなー・・・」

撩は呆れて、香を見る。

・・・お前と直に手ぇつなぎたいからに決まってんだろ。

はぁ、とため息をついて

「いいんだよ。明日からするから」

ぶっきら棒に言った。

それからも、よくネックレスに触る香に、きになって訊いてみた。

「気になるのか?それ」
「え?あ、うん。気になるっていうか、嬉しかったから」
「お・・・おぅ」

2人で照れた後、撩の「出るか?」の合図のもと、清算に向かった。
当然ながら、香に財布を出させる隙もなく、撩がさっさと済ませる。
外に出てから香が慌てて礼を言った。

「撩。今日はどうもありがとう。おまけにプレゼントまでもらっちゃって。嬉しかった」
「まぁ、それはおれももらったからな」
「うん、そうだね」

それから、どこに行く宛もなく、歩き出す。
並んで歩いていて、ふと、互いの指が触れた。
一度は離れたものの、二度、三度と触れて、自然に手を握り合う。
いつの間にか、手をつないで歩いていた2人は、とある広場の真ん中にあるクリスマスツリーが正面に見えるところまで歩いてきていた。
当然、周りは同じようなカップルばかり。
ツリーにはイルミネーションがキレイに光っている。

「キレイだね」
「あぁ」

顔を見合わせた2人は、照れたように笑い、どうする?と撩が眼で訊く。
香が頷く。

「うん、行こう」

つないだ手をくいっと引っ張ると、撩もつられて歩き出す。
近くでツリーを見ると、結構な迫力があった。

「結構大きいね」
「まぁ、アッチの方がスケールがけた違いでデカかったけどな」
「アメリカとは全てが違うわよ。確かにアッチの方が大きかったけど、これも負けないくらいにキレイだよ」
「・・・まぁな」

ツリーに見入る香を見る撩が、手を離して香の方に身体を向けたので、急に冷たくなった自分の手に、あれ?と香も撩を見る。
すると、撩が香を見つめるので、香も撩に向き直って眼を合わせた。

「・・・撩?」
「香」

なぜかその声に、ドキリとする。
甘さを感じるのは自分の気のせいなのか。
香は、ただただ撩を見つめるしかできなかった。

「・・・なに?」

撩が一歩近づいて、香の耳元に口を近づける。
撩の息が耳にかかって、擽ったくて、首を竦めたくなる。
そして、甘い声が香の耳に届いた。

「―――好きだ」
「・・・!」

それは、香が一番聞きたかった言葉で、でも、なんだか信じられなくて。
何度も何度も頭の中で反芻する。

・・・今、確かに撩は・・・
好き、って言った・・・よね?
でも、あたしは撩のレンアイの対象にはなってないんじゃ―――?

香はゆっくり撩を見る。
撩は相変わらず真剣な眼をして、香を見つめている。
香も撩の眼を見つめていると。

「・・・返事は?」
「・・・え?」
「だから、返事」
「ええっ?!」

急に返事を求められ、慌てる香。
確かに、撩は『好きだ』って言ったように思うけれど、もし、万が一、自分の聞き間違いだったら?
なんだかパニックになりそうなくらい色々な想いが渦巻く中、香が口にしたのは・・・

「あたし・・・あたしは、撩が好き」
「・・・!」
「あたしは、撩のこと教官として尊敬してるし・・・好きです」

香が頬を染めて大きな眼に撩を映すと、撩が訊き直す。

「・・・今、言ったことって、ホントなのか?」
「え?今言ったこと?」

香の顔が一気にかぁぁぁ、と真っ赤になった。
それだけでもう答えになってる気もするけど、ちゃんと云わなきゃいけないよね、と頷く。

「・・・うん、ホントだよ・・・」

よ、と言ったのと同時に、すごい強さで腕を引かれて抱きしめられる。

!!

「ちょ、りょっ!」

撩の胸に顔を押し付けられる。
撩のコートのボタンが顔に当たったけれど、全然痛くない。
今、抱きしめられてるんだ、って実感できるから。

「バーカ。もうおれはお前の教官じゃねぇよ」

撩は呆れたようにそう言って少し微笑むと、香の髪に顔を埋めたのが分かって、一瞬、身体を固くさせたものの、撩の腕の力強さに徐々に解れていく。
香も撩にゆっくり身体を預けてみた。
すると、撩の腕に力が込められて、自分の行動が撩に伝わったみたいで嬉しくなった。
撩が香の髪を撫でだして、香が大好きな声で名前を呼ばれた。

「香」
「なに?」

撩が香の肩に触れて、そっと撩が自分の身体から香を離した。
香が撩を見上げた瞬間、両頬を包む手と唇が一度に下りてきて、香は、撩に唇を塞がれた。

「・・・んっ・・・」

眼を見開いて驚いたものの、撩の唇の熱さに香も撩に身を委ね、ゆっくりと瞳を閉じた。
周りのことを気にしている余裕はない。
ここが外だと頭のどこかで認識はしていても、それ以上に撩とのキスが甘くて、嬉しくて、それを受け入れた。

どれぐらい、キスをしていただろう。
撩が離れると同時に香も眼を開けて撩を見た。

瞳が潤み、頬は上気して、せっかく離れた撩を煽るには十分すぎるほど香がキレイで。
撩は苦笑した。

「頼むから、もう煽るなよな」
「・・・え?」
「また、したくなるだろ」
「・・・撩?」

そして、今の自分の顔を見られたくないのか、香の後頭部に手を添えるとぐいっとまた胸に押し付けた。

「今、おれの顔、見るなよ」

香は答えられないので、頷いた。

・・・照れてるのかな?撩も。
だったら嬉しいな。

香もそっと腕を撩の背中に回して、コートをギュ、と掴んで、抱きしめた。
すると、香が撩の胸の中で、グリグリと頭を横に振るので驚く。

「香?!」
「ん?」
「お前、人の胸で何やってんだよ?」
「んー・・・マーキング?」
「・・・は?」
「だから、撩はあたしのものっていう、マーキング?」

言って、顔から火が出そうなほど真っ赤になる香に、撩がプッと吹き出した。
それから、肩を揺らして大爆笑。
香は赤い顔のままムッとする。

「何よ。そんなに笑うことないじゃない!」
「いやぁ、香チャンが可愛くて。ついな。それにしても、マーキングって・・・」

あー、腹痛ぇ、と言いながらまだ笑っている撩に、香はムキになる。

「なっ・・・可愛いジョークじゃないのよ」
「・・・へぇ・・・これ、ジョークなのか?」
「え・・・」

もちろん、香としてはジョークではない。
なので、つい答えに詰まってしまう。

「冗談っていうか、なんていうか・・・」

手をもじもじさせながら、どもっていると、撩がニヤリと笑う。

「言っとくけど、おれもお前にそのうちマーキングさせてもらうから」
「・・・えっ?!あたしにもするの?!」
「当たり前だろ。お前にしなきゃ誰にするんだよ」
「・・・あたしにもグリグリって?」
「グリグリってしてほしいのか?」

撩がプククと笑っていると、香はブンブンと横に振る。

「なしなしっ」
「まぁ・・・。こっちは、お前の心の準備次第だな」
「?そうなの?」
「・・・あぁ。でも、手始めに」

撩が香のマフラーをスルスルと取りにかかる。

「えっ?ちょっと寒いじゃない。ここ外よ?何すんのよ」
「だから、マーキング」
「ええっ?!」

と言ってる間にもマフラーを取られた香に、撩が首筋に顔を近づけて、唇が触れた。

ビクッ。

香の身体が跳ねるのも気にせず、吸った。

ビクン。

「あっ・・・」

また、香の身体が跳ねたのを確認して、吸い上げる。

「んっ・・・!」

離れると、紅い跡が残った。
撩が満足そうに「うん」と頷くと、またマフラーをグルグル巻いていく。

「ちょっと・・・撩。な、何した、のよ?」
「んー、それは、寮に帰ってのお楽しみ。後で首筋、見てみな。それがおれのマーキングだから」

香は頬を染めて何も言えずに、ここ、外なのに・・・と、ただ恥ずかしくて俯き加減で小さく頷いた。
そして、香の耳元でさらに囁く。

「でも、本番はこんなもんじゃないからな?」

香の胸がキュゥと締め付けられる。

・・・何、この撩の甘さは。

撩の声に翻弄される。
香が撩を見ると、鼻歌でも歌いそうなくらい上機嫌だ。

・・・あの撩が。
いつもあたしをからかってばかりいた、あの撩が?
信じられない。
これが、あの撩なの?
いつも、あたし達に厳しく指導していた撩なの?

香が立ち止まって撩を見ていたら、撩が香を呼んだ。

「おい、香。早く来いよ。そろそろ帰るぞ」
「あ、うん」

香が小走りで撩に追いつくまで、その場で撩が香を待っており、香が走るたびに、撩がくれた首にあるネックレスが揺れて、香は幸せで胸がいっぱいになった。






+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

<あとがき>
皆さん、メリークリスマスvvv

わーっ!!
やっと描けたーっ!!!
いかがだったでしょうか?
ドラマをお好きな方の反応が怖いところではありますが・・・(^^ゞ
ずいぶん前置きが長くなりすぎましたが(笑)やっと本題のクリスマスを描けました~ヽ(*>∇<)ノヤッホーイ♪
最後、「1」「2」と比べると甘々になりましたねーvv
香ちゃんが乙女になってたような・・・(*^^)v
でも、重ね重ね、話の途中で香ちゃんを危ない目に遭わせてしまって、本当にすみませんでした。
一応、ドラマの設定をお借りしているので、

香ちゃん=晴、撩=国木田教官

みたいな感じで描いてます(*'▽')
なので、撩の口が悪いのは、国木田教官仕様、みたいな(笑)?
しかも、この最終話の香ちゃん、イブに撩と会ってからもうほとんど「教官」って呼ばなくなってるし(笑)
わー、なんだか色々とツッコミどころ満載の話だなー(^^ゞ
ま、そこはいつものことなので、軽くスルーして下さいねっ(*^▽^*)
私は航空関係で働いてはいないので、もちろん、訓練の内容などドラマでしか知りませんし、それすら実はうろ覚えです。
訓練の期間や訓練の内容などはすべて、うろ覚えの中での実梨の勝手な妄想ですので、ご了承下さいませm(__)m
ドラマの設定など色々ありますが、あくまでこれはRKの話であり、RKを中心に描いてます☆
色々と設定をお借りしてますので、何か問題がありましたら、ご報告いただけたら、すぐに記事は下げます。
内容はたぶん、パラレルだし、いつも以上に拙いとは思いますが、私自身、とても楽しく妄想して描けましたvvv
そして、注意書きが多くて、すみませんでしたm(__)m
最後まで読んで下さった皆様、どうもありがとうございましたvvv

【 2013/12/25 (Wed) 】 NOVEL | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
撩&香の一コマ♪
プロフィール

実梨

Author:実梨
シティーハンターが好きで、二次創作を始めました(^^ゞ
カッコいいリョウと可愛い香ちゃんを目指して、日常の色んな2人を描いていけたらいいな、と思ってますv
初心者なので、まだまだ未熟で駄文ばかりではありますが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです♪

更新履歴
・ 8/ 24 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 18 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 6/ 16 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 4/ 22 MEMOに拍手御礼(お待たせしてすみませんでした)
・ 4/ 17 遅ればせながら香ちゃん、お誕生日おめでとうvv
・12/ 7 サイト6周年vホントにどうもありがとうございますvvv
・11/ 13 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・11/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・10/ 19 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 10 EVENTに5周年記念SS(後編)をUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 4 EVENTに5周年記念SS(前編)をUP(今更ですみませんっ)
・ 7/ 13 MEMOに拍手御礼
・ 7/ 2 NOVELをUP
・ 6/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 5/ 23 NOVELをUP
・ 5/ 5 MEMOに拍手御礼
・ 4/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 3/ 31 香ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 26 撩ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 23 NOVELをUP
・ 3/ 14 MEMOに拍手御礼
・ 3/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 2/ 19 NOVELをUP
・ 2/ 10 SSSをUP
・ 2/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 22 MEMOに拍手御礼
・ 1/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 5 どうぞ2014年もよろしくお願いしますvNOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 31 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 29 MEMOに拍手御礼
・12/ 25 NOVELをUP
・12/ 24 NOVELを2話分UP
・12/ 15 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 7 サイト5周年~♪ホントにどうもありがとうございますvv
・11/ 28 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・11/ 18 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・10/ 20 MEMOに拍手御礼
・10/ 5 MEMOに拍手御礼
・10/ 4 NOVELをUP
・ 9/ 23 NOVELをUP
・ 9/ 16 LINKに素敵サイト様1件追加!&MEMOに拍手御礼
・ 9/ 1 NOVEL2話目をUP&MEMOに拍手御礼
  ・ 8/ 15 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 8/ 5 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 30 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 7/ 7 七夕SSをUP
・ 6/ 30 NOVEL1話目をUP&拍手御礼v
・ 6/ 17 ついに!新しいPCになりましたーっvvv&拍手御礼v
・ 2/ 8 EVENTに4周年記念SSをUP&MEMOに拍手御礼v
・ 1/ 20 LINKに素敵サイト様1件追加!
・ 1/ 8 NOVELにお正月SSをUP&MEMOに拍手御礼v
・ 1/ 2 2013年v新年あけましておめでとうございますvv今年もどうぞよろしくお願いいたします☆
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。