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カボチャが微笑んだら


















「あら、珍しいわね、っていうか初めてよね?あなたがそこに立つなんて」

そんな艶を含む声で店内に入ってきたのは仮装した女が4人。
魔女に猫娘、女海賊にナース。

少々薄暗いバーにはジャズが流れていて、落ち着いた店内で楽しくお酒を飲めるように誘われる。
そして、今日はハロウィンで、店の雰囲気に合っているような、いないようなカボチャが所々に置かれている。

その店のカウンター内で彼女達をニヤリと不敵な笑みで待ち受けているのは、これまた仮装したドラキュラだ。

「これはこれは、揃いも揃ってもっこり衣装でお越しいただき、おれも襲いがいがあるってもんだ」

ヒュー、と口笛を吹くと、ドラキュラ姿の撩が、ウイスキーが並んでいる棚にもたれ掛かりながらニヤニヤする。
はぁー、とため息をつく香をよそに、撩の目の前のスツールに座る女達。
撩もカウンターから彼女達のいる方へ回り込むと、その1人1人を順に口説き始める。
まずは・・・

「冴子。お前、そのカッコ、妙に似合いすぎ。リョウちゃん、そのムッチリお胸ちゃんに触りたいなぁ」
「そしたらすぐにでもあなたに魔法をかけるけど、いいかしら?」
「え・・・どんな?」

撩がちょっと期待するような、でも、若干頬を引き攣らせるという、なんとも云えない顔をして聞くと、魔女姿の冴子はにっこりと妖艶な笑みを浮かべて・・・

「どんな仕事でも、私からの仕事は断れない魔法v」
「ははは・・・絶対イヤだ、それ」

撩は心底イヤそうな顔をして言うと、冴子は相変わらず笑みを浮かべたまま言う。

「あら、でも胸には触らせてあげないこともないわよ?ま、触れるものなら、だけどね」

そして、チラッと香を見てクスッと笑う。
撩もチラッと横を見ると、明らかに頬を膨らませている香と目が合った。
なんとなく、後ろにハンマーが見え隠れしているのは気のせいだろうか。
思わず、苦笑する撩。

「あなたが、香さんのハンマーと私がかける魔法を受ける覚悟があるのなら、どうぞ?」

冴子がその豊満な胸を撩に見せ付け、ウインクする。
撩はガクッとうなだれて、

「遠慮しとく」
「じゃ、私、ワインね。モノはあなたに任せるわ」
「はいはいっと」

さてと、と、撩は次に猫娘のカッコをした女に向き合う。

「なぁ、かずえちゃん、知ってた?ミックも実は猫が嫌いだって」
「えっ?」
「だからさ、今日はアイツとじゃなくておれとしっぽりしない?」

きょとんとしたかずえがクスッと笑うと後ろから誰かが抱きしめた。
ひどく不機嫌な顔で。

「おい、リョウ。誰が猫嫌いだって?カズエはおれの格好に合わせただけだ」

そこには、狼男のミックがいて、撩はチッと舌打ちをして、かずえの隣にいる女海賊に話し掛けた。

「わぁお♪美樹ちゃんもなかなかいいカッコしてること。ね、あんなタコは置いといて、撩ちゃんと・・・」

―――ドゴン

「・・・へっ?!」

撩の顔すぐ横を美樹が放った弾がすり抜け、壁にめり込んでいる。

「ちょ、美樹ちゃん。実弾はさすがに・・・」
「だって、私は海賊よ?銃を持ってたっておかしくないでしょ?」

何を言ってるの?とでも云いたそうな表情をした美樹がキョトンとしている。

「それに、ファルコンのことをそんな風に言うんだもの。当然よ」
「・・・おれ、当たったら死ぬとこだったんだけど?」
「やだ、冴羽さんったら。冴羽さんなら絶対に避けるって解ってるから安心して撃ったのよ」

美樹はクスクスと笑っている。

―――そこは笑うとこなのか?
そして、それはいつものことだよな?
しかも、それで撃っていいことにはならないし。
店の壁にめり込んでるし。

ふと、この店の店長である男を見ると、呆然としていたが、撩と目が合うと苦笑していた。

・・・ま、言い訳はこのカッコをした美樹ちゃんには通用しないか。

諦めた撩は一番端に座って呆れたように自分を見ているナース姿の香と視線を合わせ、苦笑する。
目が合った香は、その目が自業自得よ、と言っていた。

「・・・それで。おまぁはまたなんちゅうカッコをしてるんだか」

薄いピンクのナース服に身を包んでいる香は、バッチリ胸元は丸見えで、しかもミニスカートだ。
すると、香は頬をうっすらと染めた。

「だって・・・仕方ないないじゃない。みんなに言われたんだもの」
「何て?」
「撩がドラキュラなら、誰かの血を吸おうとする前にちゃんと治療してあげてねって」

香がクスッと笑うと、撩もニヤリと笑って香を見る。

「で?ナースな香ちゃんはどうやって治療するつもりなんだ?なんかイイ方法でもあるのか?」
「あるわよ?ちゃんとドラキュラさんに効くお薬がね」
「へぇ、そりゃ楽しみだ」

撩はチラリと香を見遣ると、つつつー・・・と近づいていくのは美樹のいる方で。
海坊主が経営する喫茶店の片付けの都合で遅れているのをいいことに、撩が美樹に迫ろうとすると、いつの間にいたのか、美樹の前にドンと立った海坊主がドカッとリョウを蹴飛ばし、飛んでいった先には何かを持っている香の姿があった。

ベシャ、と倒れると香が膝をついてしゃがみ、ニッコリと笑う。

「海坊主さん、どうもありがとう」
「なんてことはない。それより早く、それを打ってやれ」
「うん、そうするわ」

何のことだか分からない撩がガバッと起き上がると、視線を撩に合わせる。

「はい、撩」
「・・・へ?」

香は笑みを浮かべたままだ。

「あーん、して」
「なっ・・・香?!」

はい、あーん、と香が可愛い声音で言い、撩も香の口を見て釣られるように口を開けると。

―――ピュッ


?!


撩の口に勢い良く何かが入った。
思わず、それを飲み干すと、その味に顔をしかめる。
それは、何か得体の知れないモノではなく、もちろん口にしたことのある味だ。
そして、香を見ると、手には何故か注射器を持っていて。

「香」
「何?」
「おまぁ、今何入れたんだ?」

撩が確認しようと訊くと、香がクスッと笑う。

「撩には分かると思うけどな」
「だから、なんでトマトジュースをおれに飲ませたんだよ」
「うん、そう。トマトジュース。でも、ヘンなものじゃなくてよかったじゃない」
「当たり前だ!」
「だって、よく言うじゃない?ドラキュラが吸う血を補うのはトマトジュースって」

そして、クスッと笑って空になった注射器を振ってみせる。

「あのなぁ・・・」

撩がジト目になって香を見るが、香が楽しそうにしてるし、実際、自分は今、確かにドラキュラのカッコをしているので、何も言えなくなり、がしがしと頭を掻き・・・そして、何かを思いついたかのようにニヤリと笑みを浮かべた。

「なぁ、香」
「なによ」
「おれ、まだ血を吸い足りないんだけど、トマトジュースはダメなんだよな・・・。だからさ」
「うん?」

香は小首を傾げて撩を見る。
そんな香に撩は耳元でそっと囁く。

「おまぁの甘くて柔らかい血、ちょうだいv」
「・・・・・・ええっ?!ちょ、りょう?そ、それって・・・っ」

途端に顔を真っ赤にさせて、あわあわと慌てだす香に、撩は可笑しそうにくつくつと笑う。

「んー、血が足りないドラキュラの治療、してくれるんだろ?ナースの香ちゃん♪」
「だっ、だから、それって・・・何なのよっ」

香が撩に向かって叫ぶと、撩はぐいっと香の腕を引っ張り、自分に引き寄せる。

「きゃっ」
「・・・おまぁの首筋にカプッと噛みつかせてくれたらそれでいいんだけど?」
「なっ、ちょっ・・・」

撩は片腕で香の腰をぐっと引き寄せて甘く囁き、香の身体が一瞬、ビクンと跳ねるのを感じる。

「いや、だからね?撩。こ、ここは外だし、コウさんのお店だし、そんなこと出来ないわよ」
「ふーん。じゃ、どこならいいわけ?」

撩は明らかにからかいの眼差しで香を見ているが、プチパニックになっている香は当然、それに気づくわけもなく。
2人を見ている外野は、撩には呆れた視線を、慌てる香には可愛いわね、と笑みを浮かべて成り行きを見守っている。

この場で1人、周りが見えていなくてパニックになっている香は、もう撩しか見えていない。
撩に訊かれた問いに、香が出した答えは

「あ、そう。家!家ならいいわよ。ほら、撩。家に帰って落ち着いてからにしよう?」

ニヤリ。

香の言質を取った撩は、ニンマリと笑い、急にご機嫌になって香を離した。

「了解。じゃ、今はこれで許してやるよ」

そう言って、撩に艶めかしく映る香の首筋にスイッと近づいて、チュ、と唇をつけると吸って紅い跡をつけた。

「んっ・・・・・・ちょ、りょう?!何すんのよ」
「約束」
「・・・え?」
「おまぁが今のこと忘れないようにドラキュラ撩ちゃんからの約束の印」
「もうっ・・・撩のバカっ」
「だって、撩ちゃん、バカだもーん」

とかなんとか言いながらふざけ合っている2人は、傍から見たら、笑っちゃうぐらい親密で。
昔の撩からは考えられないほどの素直さに、微笑ましいやら、呆れるやら。
他のメンバーはクスクスと笑っている。

海坊主と美樹はいつの間にか、誰もいなくなったカウンター内でみんなの飲み物の世話をしていて、撩達を見ながら寄り添って、腕を組む美樹にボンと海坊主は真っ赤になっている。
ミックとかずえは、撩達から少し離れたテーブル席に陣取り、撩らの行動を見ながらも、早くもラブラブモードに突入していた。

一方、1人者同士の組み合わせになった冴子とコウ。
妖艶でキレイな魔女な冴子とは対照的に、コウの恰好はといえば、なぜかまだ早いトナカイ姿で。
冴子は可笑しそうにクスクスと笑う。

「コウくんったらなんでそんな恰好してるの?」
「おれだって好きでしてるんじゃないですよ。余ったのがコレだったんです」

コウはふて腐れて顔を背ける。

「しかもなんだか暑いし」

すでに、頭は外して身体だけトナカイになっているコウに、冴子は相変わらずクスクス笑っている。

「なんか、今日はカウンターにファルコンさんと美樹さんがいてくれるんで、おれ、仕事ないんですよねー」
「じゃ、飲めば?」
「・・・ありがとうございます。じゃ、お言葉に甘えて」

冴子が勧めたお酒をグラスに入れて、乾杯する。

「冴子さん。おれ達もしっぽりしませんか?」
「・・・しっぽりしたい?」
「したいですっ!」

目をキラキラと輝かせて笑顔で頷くコウに、冴子は妖艶に笑みを作る。

「うーん、いいんだけどね?でも・・・きっと、来てると思うのよね?」
「・・・誰が?」

すると、冴子がコウの耳元で囁いた。

「槇村が」
「ええっ?!槇さん?なんで?」

すると、冴子が視線をふとある場所へ向けて、コウを促す。
コウもそちらを向くと、

「ちょ・・・っ、りょ・・・んっっ」

まさに、香が撩にキスをされていて、焦る香と悪魔のような笑みを浮かべた撩が楽しそうに笑っている。

「・・・あぁ、なるほどね」
「そういう訳」
「はぁ。じゃぁ、冴子さんにも手は出せませんねー、残念ながら」

冴子はクスッと笑うと、冴子は、ん?と首を傾げる。

「だって、槇さんが来てるってことは、香さんだけじゃなくて、冴子さんのことも見てるってことだし・・・っていうか、香さんには撩さんがいるけど、冴子さんは1人だし?むしろ、槇さんが来てるなら冴子さんが一番なんじゃないですか?」
「・・・そう、かしら?」

冴子が俯いてグラスを見つめ、ゆっくりと顔を上げると、うっすらと頬に朱がさしていた。

「そうだったら、嬉しいわね」

コウには秀幸との関係はバレているので、冴子も隠すことなく、彼との想い出に浸ることができる。
その表情は、いつもの凛としている女刑事の顔じゃなくて、1人の恋する女性の顔になっていて。
いつもの席に座っている冴子は、ふと、彼が座っていた席を見る。
そして、柔らかく微笑んだ。

それを見たコウは、ゆっくりと静かに冴子の側から離れると、バーの裏にある休憩所に1人入って、飲みさしのグラスをぐいっと呷る。
秀幸の冴子への想い、気持ちを知っているから。

「なんだ。結局、おれだけか、1人者は」

そして、小さいカボチャが笑っているのを見て、苦笑してそっと呟いた。

「Happy Halloween」




+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

<あとがき>

遅れましたが、ハロウィン話ですv
なんだか訳の分からない話になってないか、非常に不安なんですが・・・。
補足しておきますと。
場所は、何度かある話で登場している「7th BLUE」です。
なので、コウくんが出てきてるんですねー(*^^)v
要は、みんなで仮装して、飲みながらハロウィンをしよう、ということで・・・。
女性陣のカッコ、いかがだったでしょうか?
何か、他にいい衣装があったかもしれないなぁ・・・v
ナースな香ちゃんが、美樹さん達美人さんを襲いそうになっているドラキュラな撩に対して、治療(トマトジュースを飲ませる)をさせたかった、だけなんだけど(*^▽^*)
甘さがほとんどなくて、ホントにすみません(>_<)
上手に描けないあたりが実梨ですねー。。。
パパッと描いたので、いつも以上の駄文となってますが、こんなのでも少しでもお楽しみいただけたら幸いですv
最後まで読んで下さった皆様、どうもありがとうございましたvvv

【 2013/11/18 (Mon) 】 NOVEL | TB(-) | CM(0)
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撩&香の一コマ♪
プロフィール

実梨

Author:実梨
シティーハンターが好きで、二次創作を始めました(^^ゞ
カッコいいリョウと可愛い香ちゃんを目指して、日常の色んな2人を描いていけたらいいな、と思ってますv
初心者なので、まだまだ未熟で駄文ばかりではありますが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです♪

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・ 4/ 17 遅ればせながら香ちゃん、お誕生日おめでとうvv
・12/ 7 サイト6周年vホントにどうもありがとうございますvvv
・11/ 13 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・11/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・10/ 19 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
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・ 7/ 13 MEMOに拍手御礼
・ 7/ 2 NOVELをUP
・ 6/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 5/ 23 NOVELをUP
・ 5/ 5 MEMOに拍手御礼
・ 4/ 10 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
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・ 3/ 26 撩ちゃんお誕生日おめでとうvv
・ 3/ 23 NOVELをUP
・ 3/ 14 MEMOに拍手御礼
・ 3/ 2 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
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・ 2/ 1 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・ 1/ 22 MEMOに拍手御礼
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・ 1/ 5 どうぞ2014年もよろしくお願いしますvNOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 31 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
・12/ 29 MEMOに拍手御礼
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・12/ 24 NOVELを2話分UP
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・12/ 7 サイト5周年~♪ホントにどうもありがとうございますvv
・11/ 28 NOVELをUP&MEMOに拍手御礼
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・10/ 5 MEMOに拍手御礼
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